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  1. 千代田区議会 1991-03-07
    平成3年第1回定例会(第2日) 本文 開催日: 1991-03-07


    取得元: 千代田区議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-02
    千代田区議会議事録 トップページ 詳細検索 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 平成3年第1回定例会(第2日) 本文 1991-03-07 文書・発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別ウィンドウ表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言の単文・選択・全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者の表示切り替え 全 73 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言・ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長水野正雄君) 選択 2 : ◯十六番(橋口太君) 選択 3 : ◯区長木村茂君) 選択 4 : ◯教育長井澤一弘君) 選択 5 : ◯議長水野正雄君) 選択 6 : ◯議長水野正雄君) 選択 7 : ◯六番(山名勇君) 選択 8 : ◯区長木村茂君) 選択 9 : ◯都市整備部長望月章司君) 選択 10 : ◯議長水野正雄君) 選択 11 : ◯四番(城井健介君) 選択 12 : ◯区長木村茂君) 選択 13 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 14 : ◯都市整備部長望月章司君) 選択 15 : ◯議長水野正雄君) 選択 16 : ◯三十五番(野口つた子君) 選択 17 : ◯区長木村茂君) 選択 18 : ◯都市整備部参事(黒澤功君) 選択 19 : ◯三十五番(野口つた子君) 選択 20 : ◯区長木村茂君) 選択 21 : ◯議長水野正雄君) 選択 22 : ◯三番(大宮正義君) 選択 23 : ◯区長木村茂君) 選択 24 : ◯都市整備部長望月章司君) 選択 25 : ◯議長水野正雄君) 選択 26 : ◯十七番(竹田靖子君) 選択 27 : ◯区長木村茂君) 選択 28 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 29 : ◯区民部長(加藤忠君) 選択 30 : ◯教育委員会事務局次長(大杉宏光君) 選択 31 : ◯十七番(竹田靖子君) 選択 32 : ◯区長木村茂君) 選択 33 : ◯企画部長(瀧見浩之君) 選択 34 : ◯区民部長(加藤忠君) 選択 35 : ◯教育委員会事務局次長(大杉宏光君) 選択 36 : ◯議長水野正雄君) 選択 37 : ◯議長水野正雄君) 選択 38 : ◯二十五番(木村正明君) 選択 39 : ◯区長木村茂君) 選択 40 : ◯福祉部長(八田和之君) 選択 41 : ◯二十五番(木村正明君) 選択 42 : ◯区長木村茂君) 選択 43 : ◯議長水野正雄君) 選択 44 : ◯二十七番(福山和夫君) 選択 45 : ◯区長木村茂君) 選択 46 : ◯総務部長(小藪俊雄君) 選択 47 : ◯区民部長(加藤忠君) 選択 48 : ◯福祉部長(八田和之君) 選択 49 : ◯二十七番(福山和夫君) 選択 50 : ◯区長木村茂君) 選択 51 : ◯議長水野正雄君) 選択 52 : ◯議長水野正雄君) 選択 53 : ◯議長水野正雄君) 選択 54 : ◯議長水野正雄君) 選択 55 : ◯助役(川又元彦君) 選択 56 : ◯議長水野正雄君) 選択 57 : ◯四番(城井健介君) 選択 58 : ◯議長水野正雄君) 選択 59 : ◯議長水野正雄君) 選択 60 : ◯議長水野正雄君) 選択 61 : ◯助役(川又元彦君) 選択 62 : ◯四番(城井健介君) 選択 63 : ◯議長水野正雄君) 選択 64 : ◯議長水野正雄君) 選択 65 : ◯議長水野正雄君) 選択 66 : ◯助役(川又元彦君) 選択 67 : ◯四番(城井健介君) 選択 68 : ◯議長水野正雄君) 選択 69 : ◯議長水野正雄君) 選択 70 : ◯議長水野正雄君) 選択 71 : ◯議長水野正雄君) 選択 72 : ◯議長水野正雄君) 選択 73 : ◯議長水野正雄君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1: 1991-3-7:平成3年 第一回定例会(第2日目)本文 847号    午後一時三分開議 ◯議長水野正雄君) ただいまから平成三年第一回東京都千代田区議会定例会継続会を開会いたします。  これより一般質問に入ります。  通告順に発言を許可いたします。  最初に、十六番橋口太君。    〔橋口太君登壇〕 2: ◯十六番(橋口太君) 東京都千代田区議会平成三年第一回定例会に際し、進歩党の一員として、昭和五十年初当選以来、四期十六年の長年の間つつがなく務めさせていただきましたことは、議員の皆様及び区長を初め理事者の方々のご指導と温情に支えられたからだと深く深く感謝申し上げています。  私は、故郷の奄美大島を出て約四十年になんなんとする歳月を、この千代田区で商売をさせていただき、また、議員として仕事をさせていただきました。私が千代田区で働くことの喜びは、何よりも皇居のある土地で、皇室との隣組の中で仕事ができることでありました。  私の最後の一般質問に当たり、まず、私の皇室に関する見解をご披瀝申し上げ、「日の丸」と「君が代」について質問させていただくことをお許し願いたいと思います。  アジアの国の中には、日本との不幸な戦争の結果、皇室が侵略や武力の象徴のように思われた時期がございます。しかしながら、皇居の変遷をたどっただけでも、いかに皇室が本来的に平和的な存在であったかが理解することができます。  日本の歴史をひもときますと、第十三代成務天皇のとき、国造と県主という地方官を全国に任命して大和朝廷による統一で日本の形がほぼ整ったこととされています。以後飛鳥京、近江大津宮、藤原宮、平城京、平安京(京都御所)、東京の宮城と都を定めて現在に至っておりますが、京都御所は、七九四年第五十代桓武天皇以来一八六九年(明治二年)まで約一千七十五年の長きにわたり皇居となっていますが、御所の周囲は高さ二メートルにも満たない、土手で堀はなく、侵入しようは思えばいつでも、どこからでも簡単に入って行けるつくりとなっております。一方、徳川家康が築城した江戸城は、深い堀に幾重にもめぐらされ、数メートルの高い石垣に囲まれたつくりになっています。なぜこのような人を寄せつけない構えにしなければならないのか、その理由は武力で制圧し、教条のもと、日本全国を支配するためと、いつ敵が襲ってくるかわからないので徳川一族を守るための構えにしておく必要があったのです。徳川時代には、日本国じゅうに城が百以上ありましたが、城の大小はありますが、武士の本拠である城はすべて深い堀でめぐらされ、必ず高い石積みの塀に囲まれたつくりになっております。武力で攻めとったので、武力でまたとられるおそれがあるからです。世界に目を向けて見ても、各国の帝王は武力で鎮圧し、民を支配し、攻めては興り、興っては滅びながら民を支配してきたのです。歴代天皇は徳と慈愛をもって日本国民を導いて来られたので、城のような構えをする必要がなかったのです。日本の天皇一家は二千年近い間、綿々と皇位を継承されて今日あるのは世界に類を見ません。  同様なことが「日の丸」と「君が代」についても言うことができます。「日の丸」と「君が代」につきましては、私が区議として在職した十六年間の中で、何度か議論を呼んだことがございます。その主張は、主に日本のアジア諸国に対する武力侵略の象徴であり、反民主的な皇室をたたえるものを学校教育の場に持ち込むべきではないのではないかというものでありました。本当にそうでしょうか。  最初に、「日の丸」について申し上げます。徳川幕府末に日本は諸外国から国交を求められ、国旗を持つ必要に迫られたので、一八五四年(安政元年)幕府は薩摩藩主島津斉彬公の建議を入れ、異国船に間違えられないように日本の船には白字に日の丸と定めたのです。一八六〇年(万延元年)安政の五ヵ国条約の批准のため、アメリカを訪問した遣米使節の随行艦咸臨丸には日の丸が掲げられていたとのことです。「日の丸」が日本国旗に制定されたのは一八七〇年一月二十七日(明治三年)の太政官布告第五十七号で、日の丸は事実上国旗として定められております。  次に、「君が代」について申し上げます。「君が代」の歌が日本の文献に最初にあらわれたのは、ことしから数えて千八十六年前、延喜五年四月十八日で、古今和歌集に記載されているのが最も古いものであるとされています。古今和歌集の巻七賀歌の部に、題知らず、読み人知らずと表して、「君が代は千世に八千代にさざれ石の厳となりて苔のむすまで」と歌が載せてあり、これが「君が代」の歌の古い型だと言われているとのことです。この歌でいう「君」は、祝賀を受ける人は身分のいかなる人でも、だれでもさしていると約二百年前の国学者本居宣長が断言しています。それゆえこの歌は天皇、皇族に限られたものではないとされております。一八七〇年(明治三年)日本の軍楽隊指導に来日していた英国軍楽隊長ジョン・ウイリアムズ・フェントン氏が、国歌がないのは大変遺憾なことであるということで、それには新しくつくるより古歌から選ぶ方がよいとの意見が一致し、「君が代」の歌が最も適していると発議があり、定められたとのことであります。  以上、ご説明申し上げたとおり「日の丸」にしろ、「君が代」にしろ大変平和的な穏やかな誕生を持っており、決して軍事的なものでも、反民主的なものでもなかったのであります。確かに、第二次世界大戦とその前の一時期軍国主義の先兵の役割を担った事実は否定できませんが、私たちはこの期間よりはるかに長い戦後の四十六年を経験しております。平和と史上類を見ない経済繁栄は長い伝統の上にありながらも、民主的な新しい装いの中にある皇室と、「日の丸」と「君が代」のもとに築かれてきたものであります。  私は、今期をもって千代田区議会議員をやめ、幸いにして機会に恵まれましたらば、故郷である奄美大島に帰り、老骨を埋めようと考えているものでありますが、私を育んでくれた千代田区がいつまでも皇室の親しい隣人であり、式典ごとに「日の丸」を掲げ、「君が代」を歌う自治体であってほしいと切に望むものであります。  そこで、区長及び教育長に質問いたします。  区長は、本区が皇室の隣人として、これを尊尚し、また、区の式典に際して「日の丸」を掲げ、「君が代」を歌う伝統を末長く継続する意思がおありでしょうか。また、教育長は、これまでどおり本区の小中学校の式典ごとに「日の丸」を掲げ、児童生徒に「君が代」を合唱させる伝統を尊重していく意思がおありでしょうか。お二人のご答弁をお願いしてこの項の質問を終わります。  次に、千代田区の国際交流と国際姉妹都市提携についてご質問申し上げます。
     本年一月十七日、イラクのクウェートからの無条件即時撤退を実現するため起こった湾岸戦争が、予想以上の短期間で終結し、国連等を中心に終戦処理や戦後復興に向けた新たな段階に入ったことを心から喜びたいと思います。新聞報道等によれば、解放されたクウェートの惨状は非常に厳しいものがございます。その復興には、莫大な経費と年数が必要であると言われております。武力をもって他国を占領するという許しがたい行為に対し、国連を中心とする世界の国々が力をあわせ、今日の結果を導いたことは歴史上新たな一ページを刻んだものと考えます。  湾岸戦争に関し、我が国では平成二年十一月の第百十九回臨時国会に国連平和協力法案が提案されましたが、野党の反対に遭い廃案となりました。また、一月中旬過ぎ、国連協力基金として九十億ドル(日本円で約一兆二千億円)の支援あるいは難民輸送に自衛隊機の派遣等の考えを示しましたが、種々論議を呼んだのはご案内のとおりであります。一部の野党の考え方を聞いていますと、一、自衛隊機派遣は憲法違反である。二、一兆二千億円は国民一人で一万円で大変負担が大きい、その上戦争参加になるから、憲法違反であるとのことです。  昭和の初期、北海道のグリーンピースが北海道の天候のいかんによってロンドンの世界市場価格に影響を与えた一時期がありましたが、現在、世界の経済界に影響を与えている産物は何一つありません。資源が何一つない日本が、第二次世界大戦終了後、経済的に世界一と言われるように発展したのは、世界じゅうの国々から資源の供給を受けて、それを加工し、その製品を世界じゅうの国々の方が買っていただいたからなのです。日本は、国連を中心にした世界じゅうの国々と親睦を深め、その国々が発展するためにあらゆる面で貢献しなければ世界の孤児として世界じゅうの国々から除外されることになります。日本経済の血液である石油の七五%を中東に依存し、恩恵を受けていることはご存じのとおりです。第二次世界大戦終了後、敗戦国である西ドイツ憲法は、この基本法は、ドイツ国民が自由な決定で決定した憲法が施行される日にその効力を失うと第百四十六条に書いてあります。幾度も敗戦を経験したドイツは、先の先まで想定して憲法に対処しているのです。そして現在まで何回か改正しているとのことです。  私は、常に考えるのですが、法律があって人があるのでなく、人がいて法律があるのです。そして時代に即応して改正していかなければならないと思っています。時代に合わない法律は死法に等しいと思っています。  現憲法を公布した一九四六年(昭和二十一年)には、憲法を草案し、指導したアメリカも、制定した日本も、現在のような時代の変貌は想定しなかっただろうと思われます。また、一兆二千億円は、国民一人当たり一万円は負担が大きいということについては、日本のGNPは国民一人当たり一年で四百万円です。その四百万円の中の一万円のと考えれば感覚が違ってきますし、日本は血を流さないのだから国連に協力し、支援する方法は資金援助をすることが一番当を得ている方法だと私は考えています。憲法改正を口にすると、すぐ戦争を始めるがごとく言う方たちがおられますが、第二次世界大戦を起こした昭和初期の時代と現在とでは、その背景が全然違っていると私は思っています。  一九三三年(昭和八年)外務大臣内田康哉が国際連盟を脱退宣言した当時の国際連盟のあり方と現在の国際連合の行動を見れば、歴然と差異がお解りになると思います。今回の湾岸戦争は国際連合の協議のもと、「他国を侵略してはならない」として始まったことは皆様ご承知のとおりです。これからの世界はあらゆる面で国際連合を中心にした形でそれぞれの国が行動しなければ生きて行かれないと私は思っています。  一方、当時の日本国内の状況の一端をご説明申し上げます。第二次世界大戦前は、徳川幕府時代をそのまま引き継いだ形で、米を基準にした日本経済のあり方だったのです。米の生産率が低く、狭い日本で、九千九百五十万人(昭和十年)の日本国民が食べていけなかったので、土地を求めて満州(現中国の東北地方)へ進出するに至ったとも言えます。  昭和十一年二月二十六日に起こったいわゆる二・二・六事件はなぜ起きたか。一つの例を申し上げます。当時、陸軍士官学校に入学するには、難しい選考に加えて血族関係をすぐる等々非常に厳しかったのです。結論として家庭は裕福な例が多かったのです。一方兵隊として入隊する者は東北の小作人の長男、次男などが多く、その兵隊の家庭から届く手紙を検閲してみると、農業が不作の上、働き手が兵隊にとられて三度の食事も満足にできない。その上、借金の利息払にあえいでいる。娘を遊郭に身売りすることになったとの内容を幾多の手紙で青年将校が知り、「こんな社会なのか」と青年将校は義憤を感じ、「政界の上層部の責任だ」、その連中が座している以上は日本国民は豊かな暮らしにはならないという結論になり、昭和維新を標榜して決行したのです。  第二次世界大戦前は、自由資本主義の時代で、「おしん」や「野麦峠」の小説にあるように女工哀史の時代には、一般の労働者は長時間の重労働を強いられ、自由も平等もなく、資本家が労働者を搾取して企業が経営されていたのです。  日本歴史上、社会主義と言われる政策を実施したことが三度あったと私は思っております。  一、大化の改新、第三十六代孝徳天皇の時代、ことしから数えて約千三百六十年前になります。中大兄皇子と中臣鎌足が実行しました。イ、皇族、豪族がもっていた私有地、私有民を公地、公民とし、戸籍をつくり田の配分を行った。  二、明治維新、第百二十二代明治天皇の時代で、ことしから数えて約百三十年前、イ、廃藩置県、徳川家、地方藩主が専有していた土地を政府直轄とし、徳川将軍、地方藩主の特権を剥奪し、中央政府から府知事、県令を派遣した。  三、昭和の改革、第二次大戦の敗戦による改革、昭和二十年以降。イ、新憲法を公布、主権在民・戦争放棄・基本的人権の尊重を原則とし、国家の主権は天皇から国民へ移り、天皇は国民の統合の象徴と定められた、なお、家族制度・地方制度・司法制度等民主的な近代改革はなされた。ロ、財閥解体、三井・三菱・住友・安田の大財閥の外八十三の大企業の解体がなされた。ハ、農地改革、在村地主の小作地の保有面積を平均十アール(三千坪)・北海道は四十アール(一万二千坪)に制限し、以上を超える分は政府が買い上げ、小作人に売り渡した。その結果、寄生地主がいなくなった。  余談になりますが、農地解放のとき、日本で一番大きな地主は山形県の本間家で「本間様には及びもせぬが、せめて十万石の殿様になりたい」ということが言われ、小作人が千八百人いたそうです。ちなみに十万石の殿様の年収を現在の米の平均値段に換算しますと、約四十一億円になる計算が出てきます。  ニ、労働組合法が制定された。労働者の団体権、団体交渉権、争議権が保障された。ホ、政党、社会運動の復活、日本共産党を初めて合法政党として再建され、また、日本社会党が結成され、保守政党として日本自由党、日本進歩党が結成された。そして新選挙法によって婦人参政権が与えられた。ヘ、華族制度を廃止、明治維新の際、制定された特権階級を廃止した。  以上が日本歴史にあらわれた社会主義政策施行の内容です。  第二次世界大戦終了後の日本の政治形態、特に、一九五五年(三十年)の保守合同による立党以来、三十数年の長期間にわたり自民党の一党独裁政治が続いている。その理由は、政策、政治姿勢が硬直した教条主義的なものでなく、野党の主張するよい部分を先取りして政策を施行していったからだと思います。例えば、健康保険制度、国民年金制度、厚生年金制度、生活保護制度等は社会主義的な制度と言えると思います。このような制度を政策の中に取り入れて、国民全員が働く気力を大きくして、日本は経済的に世界一と言われるように繁栄したのだと思います。また、明治以来、国営企業としていた国鉄、NTT等親方日の丸意識で運営されていた市場原理の働かない国営企業を民営化する等適宜に対応して行ったところに自民党政策のよさがあると思います。  今後も日本は資本主義政策に社会主義的要素を取り入れ、また、社会主義政策の標榜する団体は資本主義的要素(市場原理)を取り入れる形で日本の発展を遂げていくようにしなければならないと思います。しかし、資本主義政策の中に社会主義的要素を取り入れ過ぎると、一生懸命働いてもその多くを税金に取られ、それが平等に分配されたのでは働く気力を失ってしまうことになり、スウェーデン、ノルウェーといった北欧の国では、余りの高税率に嫌気をさした方たちが国外に脱出する傾向が強くなっていて、スウェーデンの国際競争力が落ちているとのことです。社会資本主義であるからといって、決して一〇〇%よいとは言えないと思います。それゆえ、資本主義的要素と社会主義的要素を経済発展とを、それぞれの国の実情に基づいてうまく組み合わせることだと思います。  一方、共産主義国になるのには幾つかの要件があると思いますが、次の二点が大きな要素であったと思います。一、ソ連、中国、北朝鮮等のように産業発展のおくれた農業国、または半農業国。二番、国民への教育の普及が遅れている国。  共産主義国とは、本来、民衆にとって平等で民主的な社会であるべきなのが、これまでの歴史を振り返ってみると、現実の共産主義国では、言論の自由も、政治的自由も大変制約されてきたようです。一九一七年(大正六年)ロシア革命が起きた当時のソ連は、国民の大部分は文盲という極めて教育水準の低い国だったとのことです。革命後七十数年を経たソ連の教育水準は非常に高くなり、国民の三〇%が大学に通っているとのことです。このように教育が浸透してくると、幾ら思想教育をしても、国民の頭を洗脳しようとしても、権力者の意図とは裏腹に国民の意識は高まってくる。そうなると、政府の情報統制、思想統制はコントロールがきかなくなり、混乱しているというのがソ連の現状だと思います。  しかし、共産党が一党独裁をやめ、政治基盤を共産党組織から最高会議に移行した多党制の議会制民主主義の道を歩き出した現実も注視しなければなりません。急進派、保守派の抗争にみられるように、政治思想の再建は容易なことでないと思います。ただ、政治の自由は保障されたということは大きな変化と言えます。  また、一九九二年には欧州でECの統一がなされるとのことですが、これは世界最強の経済圏づくりの第一段階だと思われます。このような傾向に向かっていることを考えると、二十一世紀には、アジア経済圏、アメリカ経済圏等の枠組みができてくるのではなかろうかと私は思います。先進国は一国レベルの社会資本主義の枠組みを取り払い、国際社会資本主義に移行していることを示しているのではないだろうかと私は思います。  日本が今日まで長い間たどってきた幾多の道を申し上げ、そして、二十一世紀に向けてどのように動いて行くのかということを示唆しましたが、既に、日本なしの世界経済が考えられないのと全く同じ情勢が国際政治の分野にも定着するのが一九九一年であり、日本抜きにした国際政治世界はあり得ないと言っても過言ではないと考えます。したがって、日本のとるべき姿勢が重要であり、世界から注目されるゆえんと思います。  このような状況にあるとき、世界都市東京の中心にある千代田区が、世界的、地球的な視野をもって新たな認識で対応していくことが求められていると思います。  そこで、区長におたずねします。千代田区の国際化施策の取り組みの基本的考え方について。  二点目に、国際交流の具体的推進並びに国際姉妹都市提携について、いかなる見解をお持ちか、お尋ねいたします。  次に、千代田区立小中学校の適正規模、適正配置化と敷地の有効活用についてお尋ねいたします。  まず、本区の人口動向について述べたいと思います。国勢調査によると、戦後の本区の夜間人口は昭和三十年の十二万二千名をピークに、その後減少を続け、昭和四十年には九万三千名、昭和五十年には六万一千名で、昭和三十年の半分になり、さらに、昭和六十年には五万人、そして平成二年には三万九千四百七十二名と、四万人を割る人口となってしまいました。  この数字をもう少し詳細に分析いたしますと、昭和三十年から四十年の十年間では一年につき平均二千九百六十九名の減となり、昭和四十年から五十年の十年間では、一年につき平均三千百三十九名の減であります。しかし、昭和五十年から六十年の十年間では一年につき平均千百十六名の減と、一たん減少数がスローダウンしたにもかかわらず、昭和六十年から平成二年の五年間では平均二千二百四名の減を数える状態となっています。  この中で、特筆すべきことは、昭和五十年代の十年間と、昭和六十年から平成二年までの五年間の減少数がほぼ同数になっており、これを一年当たりの平均値に見れば、後者は前者の二倍にもなっているということです。こうした状況は、本区に隣接する中央区、港区の人口動向についても同様でございます。  まず、中央区について調査してみました。昭和三十年に十七万一千名であった人口が、昭和六十年には八万名になり、その減少率は五三%にもなりました。平成二年にはこれが六万八千名、昭和六十年から平成二年までの五年間で見ますと、一万二千名の減で、平均二千四百名余りの減少となっています。中央区の場合、晴海団地のような大型団地が建設されたにもかかわらず以上のような状況となっています。  港区では昭和三十年には二十五万四千名であった人口が、昭和六十年には十九万四千名となり、二四%の減となりました。さらに、平成二年には一挙に十五万八千名まで落ち込み、昭和六十年から平成二年までの五年間で三万六千名の減、年平均では、実に七千二百二十名にも上る驚くべき数字が出てきました。以上、都心三区の人口動向を分析した結果、昭和六十年から平成二年までの五年間が人口激減の期間であったことが明白になりました。  さて、このような怒濤のように押し寄せる人口減少の波を阻止できなかったのはなぜでしょうか。この要因につきましては、さまざまな意見があり、これまでに本区議会でも論議が重ねられてきたところであります。  私は、ここで観点をかえ、国政のあり方の根源のどこかに欠陥があるのではなかろうかと疑問を抱き、その原動力たる憲法を改めて読み直してみました。そうしますと、第四章に国会、第五章に内閣、第六章には司法について定めがあり、これがいわゆる三権分立にかかわる条文でございます。その第五章の内閣に関する規定のうち第六十八条に「内閣総理大臣は国務大臣を任命する。ただし、その過半数は国会議員の中から選ばなければならない。」とあります。この条文を拝見致しますと、三権分立と言いながら立法府に属する議員が同時に行政府にも身を置くということになっています。  何を今さらと思われるかもしれませんが、私が疑問に思いますことの一つは、まさにこの点であります。すなわち議院内閣制という制度そのものから発する疑問であります。下世話な表現になってしまいますが、私には、二足のわらじをはいていると言わざるを得ません。つまり行政府の長である国務大臣が、国会の中では立法府の議員として投票権を行使しているということであります。同一人物が行政官になったり、立法府の議員になったりする場合が生じているからです。大臣のポストは一部を除いて、それほどの専門的識見がなくても何とか勤まる部署が多いと思います。優秀な官僚に支えられ、お飾りにすぎないようなケースも見受けられます。しかしながら、大臣に課せられた課題が現在のようにますます複雑多様化し、また、国際的な相互作用も見逃しできない、そういった困難な状況の中では、まさに国政のかじとり役としての責任を果たすよう、議員出身の大臣に期待するのは、残念ながら無理があるのではないでしょうか。  なぜ、議員はその道の専門家になりにくいかと申しますと、議員の席を獲得するには選挙という厚い大きな壁を乗り越えなければなりません。その壁を突破するには全精力を傾倒しなければなりません。その上、議員という立場は官僚のように、また、民間人の専門家のように一つのことを専門的に深く深く研究することは困難です。議員の立場は、どのようなことを尋ねられても受け答えできるように、あらゆる面を浅く広く知っておく形とならざるを得ないのだと思います。第六十八条の条文から言えば、民間人の専門家を十名は大臣にしてもよいことになっていますが、従来の実績は一名か二名大臣がいたらよい方です。  自民党には、総裁選挙という法律に抵触しない熾烈な陣取り合戦を経て総理大臣が誕生し、その後、国務大臣が決定する経緯については、皆様が十分ご存じですからご説明申し上げません。何しろ大臣病患者が多数おられますので、派閥の均衡を保つ方法をとらないと、二年間という総理大臣の座さえ危ぶまれる状況になると思われます。それゆえ、民間人の方で専門知識を持った方を国務大臣に据えて、時代の流れに適応した施策を実施してもらえないのが実情と私は思います。  もう一点、憲法というものは、時代や社会的な変化に伴い改正されてしかるべきではないか、そうしなければそのときどきの国家的命題にこたえられなくなってしまうのではないかということについて、少し意見を述べたいと思います。  世界じゅうで議院内閣制を初めて採用したのは英国です。立憲君主国のお手本と言われる英国で議院内閣制を実施したのは一七八二年で、ことしから数えて二百九年前のことです。英国の憲法は、不文憲法といわれ、国家の基礎的な法律や慣習法の集合が憲法になっていて、重大な法律が議会をとおるたびに少しずつ時代に沿った憲法に改まっているとのことです。日本と同じ敗戦国である西ドイツ憲法には、先ほども述べたとおり起草時から将来の改正の可能性について触れてあります。そして、現実に幾度かの改正が行われ、今回の湾岸戦争に際しても改正を審議中とのことです。また、アメリカ合衆国など先進国は数年に一度の割合で憲法を改正しているとのことでございます。  翻って我が国では、明治二十二年に公布され、不麿の大典、すなわち永久にすりつぶされてなくなってしまわない憲法と言われていた明治憲法のもとで軍が暴走し、昭和の悲劇となった昭和五年まで四十三年間そのまま経過していたので、時代に適合できなくなっていたのではなかろうかと思われます。昭和二十一年の占領下に公布された昭和憲法も、四十五年経過している現在、世界情勢も大きく変わり、国内政治施策の対応、世界各国の交流等に大きくそぐわなくなってきているのではなかろうかと私には思われてなりません。そのしわ寄せを大きくこうむっているのが都心の土地問題であり、ひっきょう人口問題であると私は思います。  私が千代田区議会議員に初当選した昭和五十年には、千代田区の人口は国勢調査によれば六万一千六百五十六名で、千代田区としては十万人人口を目指して区立住宅建設に血眼になって取り組んでいました。飯田濠再開発の場合でも、新宿区は事務所ビルを要望、一方、千代田区は夜間人口の増加を標榜し、住宅建設を要望しましたが、建設完了後五年を経過したら売却可能であり、現在ではどのような利用方法をしてもよいということになっているのは大変残念な次第です。  ところで、英国には地方政府制度というのがあって、ことしから数えて百三年前の一八八八年に地方政府法が制定され、一定の権限が与えられております。その一例として、ロンドン市のある地域は、事務所棟を住宅にできるが、住宅は事務所にできないという法律が施行されているとのことです。  一方、日本政府は、地方の時代と言いながら、自治体に対する権限移譲など自治権強化に関する施策が何一つなされていないと言っても過言でありません。例えば、建築基準法は国法です。山の中から大都会まで同一条文で規定されています。もし、地方政府法の制定が導入されていたとしたら、その地区に適合した形で工夫がなされていたと思います。  昭和五十五年に駿河台の中央大学の敷地の売却問題があり、その価格が三百億円と聞いておりました。そのときの千代田区の決算額は二百七億円で到底、手の届かない価格でした。この場合でも地方政府制度があったとしたら、何とか確保できたと思います。ここにも政府の無策が生んだ千代田区の人口対策の欠如があらわれています。外国人が日本人のことを「商売は一流だが、政治は三流だ」と言われるゆえんがここにあると思われます。  しかし、国策の貧困を嘆いてばかりいられません。私達はこうした人口の激減と、それに伴う就学児童の減少という厳しい現実を受けとめ、これからの千代田区の人口対策、まちづくりの一環として区立学校の適正規模、適正配置の問題を考えていかなければなりません。  さて、お隣の中央区では、昭和二十九年に小学校二十校、学級数が三百四十、児童数は一万六千六百十三名でしたが、児童数の減少により昭和三十七年から統廃合が始まり、現在、小学校は十八校、学級数は百八十一で、児童数は四千六百七十一名となり、学校跡地には、中央区が五五%出資して貸事務所に利用する株式会社日本橋プラザが昭和六十三年十二月に完成しました。統合する新しい学校には、図書館、社会教育会館、温水プールの複合施設を建設、平成六年三月完成予定になっております。昭和三十一年に中学校は十校、学級数が百二十八、生徒数は六千四百十七名で、昭和三十七年から統廃合が始まり、現在、中学校は四校、学級数は五十六、生徒数は千九百六十一名となり、学校跡地は社会教育会館、区立浜町会館、株式会社日本橋プラザ、区立住宅建設を予定、また、再開発事業のため民間と土地を交換した場所には、中学校、保育園、特養ホームの複合施設を平成五年完成予定で建設中です。中央区の廃校は小学校は二校、中学校は六校です。  次に、港区についてご説明申し上げます。昭和三十年に小学校は二十七校、学級数が五百六十三、児童数は二万七千五百六名でしたが、平成元年から統廃合が始まり、現在、統廃合予定校が四校あり、跡地の利用は、平成三年以降に検討して平成五年に決定するとのことです。平成元年に統廃合した小学校の跡地は暫定利用として障害者福祉センターとなっています。  千代田区は、昭和三十年には小学校は十五校、学級数が二百六十五、児童数は一万二千七百名でしたが、児童数の減少により、神竜小学校を昭和四十一年に廃校し、跡地は区立体育館として大勢の方に親しまれ、喜ばれて利用されていることは皆様十分ご存じのとおりでございます。神竜小学校の廃校時の学級数は六、児童数は九十六名でした。平成二年五月の小学校数は十四校、学級数は百三十六、児童数は三千七百九十名となっています。この数字は、昭和三十年に比べて学級数は五一・九%、児童数は二九・八%残っているだけです。昭和三十七年の中学校は五校、学級数は百二十八、生徒数は七千四百二十四名でしたが、人口減少に伴って平成二年五月には学校数は五校、学級数は七十八、生徒数は二千八百七十三名となっています。昭和三十七年のピーク時に比べて、学校数は同じ五校ですが、学級数は六〇%、生徒数は四〇%となっています。昭和三十七年の生徒数はほとんどが千代田区在住だったと思われますが、現在の生徒数は、私の推測ですが、小中学校生徒の相当数は千代田区以外からの子供ではなかろうかと思われます。  先ほども申し上げましたが、私が千代田区議会議員に初当選した昭和五十年には、千代田区の住民は六万一千六百五十六名、小学校は十四校、学級数は百八十七、児童数は六千三百二十六名でした。当時、私は人口は必ず減少の一途をたどることを想定して、小規模な小学校の統廃合を進め、残った校舎に各小学校の歴史を残すような部屋をつくり、保存するようにして廃校跡地には区民利用の施設を建設すべきだとの意見を学校関係者に申し上げたりしました。しかし、平成二年の国勢調査で人口は三万九千四百七十二名と、第二次世界大戦後一番多かった昭和三十年の十二万二千七百四十五名の三分の一となり、小学校の学級数は五一・九%、児童数は、二九・八%となり、しかも相当数の方が区域外就学者だと私は推測しています。  以上のような状況では適正配置について早急に何とか考えなければならないことが目前に迫っていると思われます。神竜小学校を廃校にして神田小学校に合併した故遠山景光区長は、「二度と学校の統廃合はしない」とこぼしておられたことを私は聞いております。ここまで状況が逼迫すると適正配置についてどのような立場の方も異存を唱える方はおられないと私は思います。なお、総論は賛成、各論になると異論も出ると思われますが、重箱の四角をつまようじでほじくるような小さい考えは捨てて、大局を考え、高所から見て学校適正配置を実施し、学校跡地の利用については人口対策、まちづくりの観点から二十一世紀に向けて十分に活用できる立派な施設を早急に建設すべきだと思います。  区長並びに理事者は、いかに考え、どのような構想をお持ちかお尋ねいたします。  また、夜間人口増加対策に政府は無策です。この件については理事者だけに責任を負わせるのではなく、理事者と議員がスクラムをがっちり組んでお互いが知恵を出し合って少しでも人口減少を食いとめ、増加に努力していただきたいと切望する次第です。  私が二度と再びこの議場で、千代田区議会議員として私の意見を述べ、理事者に質問することはないと思います。長々と申し述べさせていただきましたが、これから千代田区政を担っていかれる議員の皆様、そして区政を執行される区長及び理事者の皆様、千代田区を愛する真心と実行力のもと、区民の福祉と発展に絶大なるご尽力とご努力を賜らんことを特にお願いして、私の意見と質問を終わらせていただきます。  長い間大変ありがとうございました。ご静聴ありがとうございました。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 3: ◯区長木村茂君) 橋口議員のご質問のうち、「日の丸」と「君が代」のご質問についてお答えを申し上げます。  国際社会におきましては、国同士がお互いを信頼し、協調していく上で、国の象徴としての国旗、国歌が大変重要な役割を担っており、世界各国におきましても国旗、国歌が国民から敬愛の念をもたれておりますことは、ご案内のとおりでございます。  我が国におきましても、「日の丸」及び「君が代」が広く国民の間に定着しておることと承知をいたしておりますので、今後とも区の式典等におきましては、これまでの実績を踏まえまして、従来どおり対処してまいる所存でございますので、ご了承願います。  次に、千代田区の国際化施策の取り組みの基本的考え方についてお答えを申し上げます。  私は、世界都市東京の中心にある千代田区が、世界的・地球的視野を持って、すべての行政施策について、新たな認識で対応していくことが求められておることを強く認識をいたしております。国際化の主役は区民であり、地域であるという考え方を根底に置き、在住外国人への施策の充実も図りながら、千代田区街づくり方針等において示された「世界に開かれた国際性豊かな文化都市」、この実現に向けて、国際化施策検討委員会において全庁を挙げて取り組んでおるところでございます。この検討結果をもとに、総合的かつ体系的な諸施策を積極的に推進する所存でございます。  次に、国際交流の具体的推進並びに国際姉妹都市提携についてお答えを申し上げます。  国際交流につきましては、日常生活のさまざまな分野で国際化が進んでおる本区の実情を踏まえまして、できるだけ多くの区民が交流に参加し、個性豊かな異文化に触れ合うこと。そして、国際理解のすそ野を広げ、区民生活と国際化時代の調和を図ることなどの施策が重要でございます。また、他の国、他の文化との接触を通じて、みずからの住む地域社会の特性を認識することは、同時に我がまち千代田区のアイデンティティーの確立に大いに資するものであると考えております。  以上のことから、今後、千代田区ならではの国際交流の実現に向けて、積極的に取り組んでまいる所存でございます。  国際姉妹都市提携についてでございますが、これが国際化施策の中でも大きな役割を果たしておることは、充分に承知を致しております。  そこで、姉妹都市提携につきましては、自治体間における多面的な交流事業の積み重ねの中で相互の親交を深め、長期的、継続的な友好関係が展望される段階において互いの合意により結ばれるべきものであると考えておるところでございます。  以上の立場を基本に据えながら、まず、その第一歩として昨年十二月に中国の都市へ調査を実施し、三年度においても外国都市との触れ合い交流に向けての基礎調査を行い、広く海外との交流の可能性を探っていく所存でございますので、ご了承をお願いいたします。  次に、公共施設適正配置についてのご質問にお答えを申し上げます。  現在、公共施設適正配置検討懇談会において精力的な検討が進められており、本年六月を目途に最終報告が取りまとめられる予定となっております。区といたしまして、この答申を踏まえた適正配置の推進につきましては構想の策定を急いでいく所存でございます。  したがいまして、人口対策まちづくりの視点から、区立学校の適正配置につきましては、昨日も述べましたとおり、積極的に推進する所存でありますので、教育条件の整備を前提に、教育委員会とも十分連携を図った上、適正配置構想の具体化を推進してまいる所存でございますので、ご了承を願います。  なお、詳細、他の事項につきましては、教育長をもって答弁をいたさせます。    〔教育長井澤一弘君登壇〕 4: ◯教育長井澤一弘君) 橋口議員のご質問のうち、まず「日の丸」と「君が代」についてお答えいたします。  今日の学校教育において国際社会に生きる日本人としての自覚を育てるとともに、自国や他国の国旗、国歌、文化や伝統を尊重する意義や態度を養うことは、極めて大切なことであると思っております。学校における国旗の掲揚や国歌を斉唱する機会は入学式や卒業式等の儀式的な行事が中心となっております。このような行事や国旗、国歌の意義を児童、生徒の発達段階に応じて十分理解させ、お互いを尊重し合う心を培いながら国際理解を深める指導へと発展させることが大切であると存じます。  本区の各学校では、これまでも国旗、国歌の意義を十分考えて学校行事の中で取り扱われてきたところでございます。今後も新学習指導要領の趣旨を充分に踏まえて対処されるよう努めてまいりたいと思います。  区立小中学校の適正規模、適正配置化と敷地の有効活用のご質問についてお答えいたします。  区立学校の適正規模、適正配置につきましては、千代田区独自の方針に基づきまして、二十一世紀初頭を目標にした区立の公共施設のあり方や有効活用について、広範な視点から検討を行うため設置された公共施設適正配置検討懇談会において、区立学校を含め総合的に検討が行われているところでございます。平成二年十二月に報告されました懇談会の中間のまとめの中では、特に、小中学校については適切な教育条件を整えるため、あらゆる面から多角的な視点に立って検討し、適正な規模と配置が必要である。  また、敷地の有効活用につきましては人口回復、定住促進に向け、大きな期待がかけられているため、関連部門である住宅基本計画、まちづくり部門等々十分連携をとり、施策の展開を進める必要があると報告されております。  こうした諸点を踏まえ、教育委員会といたしましては、この懇談会の最終報告を受け、小規模化が進み、子供の健全育成の面からさまざまな問題が生じつつある区立学校の適正配置の具体化を速やかに推進していかなければならないと考えております。  しかしながら、この課題への取り組みは、区民生活に重大なかかわりを持つものでございます。したがいまして、広く区民各層のご理解、ご協力をいただきながら進めなくてはならないと強く認識しているところでございます。  今後、区立学校の適正配置の具体化に当たりましては、まちづくりとの絡みの中で、区長部局とも充分に連携を図りながら強力に推進してまいりたいと考えておりますので、ご了承のほどをお願いいたします。 5: ◯議長水野正雄君) 議事の都合により暫時休憩いたします。    午後一時五十七分休憩    午後二時四十八分開議 6: ◯議長水野正雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  六番山名勇君。    〔山名勇君登壇〕 7: ◯六番(山名勇君) 平成三年第一回定例会に当たり、自由民主党議員団の一員として一般質問をいたします。  現在、区の最重要課題である夜間人口の減少に歯どめをかけ、定住人口をふやすためには、定住率が高い公営住宅の早期建設は極めて重大なことであります。四番町六番地に所在する都営第三アパートは、敷地面積二千四百三十六平方メートル、建物は五階建、昭和三十二年の建築で、戸数八十戸、エレベーターなし、間取りは一K、ふろなしとなっています。昭和三十二年ごろの住宅事情は現在とは大変異なりますが、当時としては、特に問題のある建物ではありません。それから、十数年後は社会、経済の発展に伴い、住宅も次第に質の高い、面積も広い住宅が供給される時代になってきました。  昭和五十五年を過ぎたころに、建物の老朽化が進み、都営第三アパートに住む人たちの高齢化も進み、エレベーターなし、ふろなしの住まいに苦痛を感じ、そして近くにあった二軒の公衆浴場が次々と廃業となり、特に、冬の寒い季節には一層のつらさが募りました。その結果、住民の人たちが都に対して建てかえの運動を続け、都においても建てかえの原則となっている耐用年数七十年の二分の一、すなわち三十五年にはなっていないが、実情に即し配慮することに決定し、住民の人たちとの話し合いもたびたびなされましたが、建てかえについては全員の賛成が得られず、都も建てかえを断念いたしました。  当区におきましては、この経過を踏まえて調査検討し、四番町都営第二、第三アパートと、その間にある民有地を含めた建てかえ構想案をつくるとともに、東京都へ建てかえ促進方を要請してきた経過があります。また、居住者にありましても、東京都に対し、引き続き建てかえの働きかけを続けてまいりました。その結果、このたび建てかえの方針が決定され、居住者の一時転居も、この一月から始まっています。建てかえの計画が決定したことにつきましては、その間の努力を高く評価するものであります。このことは居住者にとって心から待ち望んでいたことであるとともに、区の人口対策まちづくりの観点からも大変喜ばしいことであります。しかしながら、工事着手までには、これから解決していかなければならない幾つかの課題もあると思われます。それらを一日も早く乗り越え、区民待望の高層住宅が着工できるよう都、区のこれからのさらなる努力に期待するものであり ます。  そこで、都と区における今後の進め方、着工までのスケジュールについてお尋ねいたします。  次に、番町、麹町、平河町地域の居住人口の回復を図る方策についてお尋ねいたします。  昭和六十年八月、当時策定された千代田区基本計画の地域別施策の方向の中で、この地区は専用独立住宅や集合住宅の占める割合が高く、高級住宅地としての景観を保ち、マンション、社宅、宿舎が多く、学校等の公共施設も立地している。しかし、近年は主要道路沿いを中心に業務地化が進行し、住宅地にもその傾向があらわれている、この地区の課題は住宅地の業務地化の抑制を図り、住宅地としての土地利用を促進し、人の住めるまちとしていくことが必要であるとなっています。番町地区は、一番町から六番町までの合計面積は八十四万六千四百平方メートル、居住者は九千三百二十六人、世帯数三千七百二十一世帯でありました。そして五年半余の年月を経た今日では、居住者は八千五百九十八人、世帯数三千五百三世帯で、居住人口七百二十八人の減少となっています。  この地区で開発のしやすいところ、すなわち木造住宅のところの敷地面積は合計三十一万四千百平方メートルありました。建物を高層化し、住宅を増やし、定住人口の増加を図る適地であると判断しました。しかしながら、この地区は環境もよく、交通の便もよく、住宅地域でも都内最高の容積率を保有していて業務用地としても高い評価があり、企業の進出するところとなり、現在では、住宅と業務用ビルの混在するところとなりました。このことが居住者が減少する大きな要因であると思われます。麹町、平河町地区は敷地面積の合計が四十八万八百平方メートル、居住人口五万四千百九十人、世帯数二千四百十五世帯でありましたが、現在の居住人口は四千四百二十八人で、五年余りで実に千六百十二人の減少で、世帯数も千九百四十八世帯になっています。  昭和六十年ごろ番町、麹町及び平河町周辺は住宅をふやすことが可能な適地であると考えていましたが、今でもそのことは間違いではなかったと思っていますが、現実は番町、麹町、平河町で居住者の減少は千七百九十人となったことに改めて考え直さなければならない非常事態であると思います。  現在、千代田区における主なまちづくりの手法の中で、番町地域での適用が比較的容易と考えられる手法は次のとおりです。一、市街地再開発事業。二、優良再開発建築物整備促進事業。三、東京都総合設計制度。四、地区計画制度。五、敷地共同利用促進制度。六、平成元年に創設された千代田区総合設計制度。以上、各種の優遇措置を含む諸制度のPRと指導、その他居住人口回復のため区の積極的な取り組み状況をお尋ねいたします。  次に、公共駐車場の整備についてお尋ねいたします。  建設省は平成二年六月に一九九〇年度から一九九二年度までに全国の市街地百五十ヵ所で約六万台分の公共駐車場を整備する駐車場等整備事業三ヵ年計画をまとめました。今、実施している第十次道路整備五ヵ年計画で、期間中に三万台分としている整備のペースを大幅に引き上げたものです。中核都市の商店街周辺などに駐車場を増設して買物客等の便を図り、路上駐車をしなくても済む環境を整えることによって警察庁が、検討している駐車違反の摘発強化への反発を和らげる方針をとったものです。公共駐車場を求める声は都市中心部などの商店街に強くあります。消費者が広い駐車場を備えた大型店の方に足を向けることを食いとめたいと思うからです。特に、日米構造協議の中間報告に大店法の規制緩和が盛り込まれたことに伴い、公共駐車場整備の要望は一段と強まると建設省では見ています。同時に、大都市などで深刻な交通渋滞は路上駐車に大きな原因があることから、その対策として、警察による駐車違反の取り締まりと駐車スペースの確保が車の両輪であるとしています。そのため公共駐車場を急ピッチで増設する必要があると判断しました。建設省は今回の緊急措置に加え、今後は長期的な対策として一九九一年度から二〇〇〇年度までの十ヵ年計画を策定する方針であります。また、駐車場整備とは別に、幹線道路に有料駐車帯を設ける構想も持っています。建設省は今後とも公共駐車場づくりに取り組むことを明らかにしています。  以上は国の施策ですが、都心千代田区も車の渋滞による大気汚染や駐車違反も多く、公共駐車場は商工振興のためにも欠かせないものとなっていると思います。
     そこで、東京都の関連施策や当区の公共駐車場に関する取り組みと現状、そして、将来計画等についてお尋ねいたします。  以上、三件について、将来明るい見通しが得られる答弁を期待して質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 8: ◯区長木村茂君) 山名議員のご質問にお答えいたします。  都営四番町第二、第三アパートの建てかえについてでございますが、この事業につきましては、居住者の建てかえに対する強い要望を踏まえ、また、定住人口の確保と居住環境の整備の観点からも、本区といたしましては区議会とともに、かねてより積極的に取り組んでまいったところでございます。東京都におきましては、これら居住者の要望並びに本区の提案を受けとめ、都心における都営住宅建てかえのモデルケースとして建てかえの決定をされたことに、区といたしましても感謝いたしておるところでございます。  この建てかえ事業は、ご案内のとおり民間企業との共同事業でございまして、まさに本区の街づくり方針の理念である住民、企業、行政の三位一体による取り組みの一つの実践例とも言えるのではないかと思っております。かかる見地から、この事業は本区の定住人口確保と当該地域の新しいまちづくりにとって極めて重要なものであると認識をいたしております。  今後のスケジュールといたしましては、東京都において現在、建てかえの基本計画を作成中でございます。これをもとに実施計画を行い、平成四年度着工、平成六年度末完成をめどに作業を進めていく意向でございます。  今後とも東京都とのより一層の協力、連携を図るとともに、居住者はもとより近隣住民や民間企業のご理解、ご協力を得て事業を円滑に進行させ、建設工事が一日も早く完成するよう最大の努力を傾注してまいりたいと思っております。よろしくご了承のほどお願い申し上げます。  なお、その他事項につきましては、関係理事者をもって答弁をいたさせます。    〔都市整備部長望月章司君登壇〕 9: ◯都市整備部長望月章司君) 山名議員のご質問のうち、私の所轄に係る二点につきましてお答え申し上げます。  まず、番町、麹町、平河町地域の居住人口の回復を図る方策につきましてお答え申し上げます。  これら三地域は、主に居住地域に位置しており、これまで、専用独立住宅や集合住宅を中心に高級住宅街として発展してまいりました。しかし、ご指摘にもありますとおり、近年は業務地化の著しい進行が見られ、平成二年国勢調査の速報値を見ましても、三地域の人口の合計は一万一千五百十八人と、五年前に比較し約一八%の減少となっております。  区ではこれまで、街づくり方針における地区別の将来像、すなわちち都心型共同住宅と商業業務施設との複合地区あるいは共存地区の実現を目指しまして、鋭意取り組んでまいりました。  ご指摘いただきましたこれらの地域での適用が、比較的容易と考えられる各種まちづくり手法につきましても、昭和六十二年以降、着実に実績を重ねております。  市街地再開発事業につきましては、麹町四丁目地区が昨年四月に着工となり、平成四年九月の完成を目指し着々と工事が進められております。この事業では五十二戸の住宅ができる予定となっております。  東京都と本区の総合設計制度によって建築された住宅は、三地区合計十四戸とわずかではございますが、現在計画中の地区が数カ所あり、今後の住宅供給及び住環境の整備の面から、有効な手法と考えております。  また、裏敷地の有効活用を図るため創設いたしました敷地共同利用促進制度につきましては、六番地区で施行され、昨年五月に住宅四戸が完成いたしました。  さらに、地区計画制度につきましては、既に日比谷地区と内幸町地区で都市計画決定しておりますが、住宅の確保を基本に置いた地区計画を、現在、六番町の一部地区で地域の方々と一体となり進めているところでございます。この地区計画につきましては、周辺地域からも、その区域を拡大する要望が出されており、今後、積極的に受けとめていきたいと考えております。  このように番町、麹町、平河町地区では、地域の方々が熱心にまちづくりに取り組んでおられますが、残念ながら現地点では人口減少が続いております。しかしながら当地区は、住宅の確保及び住環境の整備の可能性は非常に高い地区と思われます。  したがいまして、区といたしましても、今後、これらの制度を初め現在検討中の新しい手法の適用も考えながら、より一層の努力を行い、居住人口の回復に向け取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、公共駐車場の確保についてお答え申し上げます。  駐車場につきましては、ご指摘にもありますが、都市活動上また商業業務活動上、極めて重要な都市施設であると認識しているところでございます。また、本区の街づくり方針の中でも、その趣旨で位置付けられているところでございます。  また、区民世論調査によりますと、近くに欲しい区の施設として、区営駐車場は、昭和五十六年では第五位で、一七%の人が要望されておりましたが、平成二年では第三位で、二五%と区民の要望の高まりを示しております。これとともに近年、駐車場の確保の必要性は、特に大都市の中心地域においては緊急かつ重要な課題になっております。  ご指摘にもございましたが、国におきましてはご指摘のとおり、駐車場等整備事業三ヵ年計画を策定し、平成三年度の新規事業として補助金交付を含む共同駐車場整備促進事業を設けました。これは商店街等の地域において、本来は個々の建物に付置される駐車場を一カ所に集約して共同整備する場合に助成するというものでございます。  さらに、従来から行われておりました補助金施策も一層充実されているところでございます。また、法令等の整備も図られ、建築物に対する駐車場の付置義務の強化が順次行われております。そこで、今国会では、駐車場法の改正案が提出されており、駐車場整備地区内の建築物に対する付置義務の基準面積が従来は三千平方メートルであったのが二千平方メートルに引き下げられることになっております。一方、東京都におきましては、この法改正に伴い、東京都駐車場条例を平成三年度中の改正に向けて準備中と聞いております。この中で都では駐車場整備地区の拡大等に関して再検討委員会を設け、現在、調査を実施中でございます。  さらに、特別区におきましても、今回、東京都と共同で駐車場整備基金を設置いたします。これは基金目標額を一千億円とし、その運用により、今後五、六年の間に二万台の駐車場を二十三区内に整備しようというものでございます。本区におきましては、だれでもが一時的に駐車できる公共駐車場確保の必要性の声を受け、都市機能の維持と道路交通の円滑化を図るとともに、公共の利便に資するため、昭和六十三年度に駐車場確保の調査を実施し、対応を急がれております紀尾井町地区につきましては、街づくり推進公社が先行的に検討を進め、近く当該地区内における駐車場整備基本構想がまとまる状況になっております。  区といたしましては、この地区の具体的な駐車場建設の検討を進めるとともに、千代田区商工振興方針等との整合を図り、国、都の今後の施策動向を注視しつつ、公共と民間の役割分担を明確にし、計画的に公共駐車場の整備を行っていきたいと考えておりますので、よろしくご了承のほどをお願い申し上げます。 10: ◯議長水野正雄君) 次に、四番城井健介君。    〔城井健介君登壇〕 11: ◯四番(城井健介君) 第一回定例会に当たり自由民主党議員団の一員として一般質問をさせていただきます。  昨日の区長招集あいさつによれば、人口回復に新たに挑戦する年であり、公共と民間が一体となって住宅を供給するとのことであり、千代田区の新生の第一歩として歓迎いたすものであります。そして、区長を補足して企画部長は、五万人を目標にして、それを公適配と住宅基本計画をもとに組み立てたいと答弁されました。しかし、公適配や住宅基本計画は、効果ある施策であるためには前提条件があろうかとは考えました。現在、区では、基本構想を含めた基本計画の策定のための検討が行われていますが、幾つかの点について質問させていただきたいと思います。  一つは、基本構想、基本計画についての考え方について、一つは、都市計画についてであります。これは単に技術的な問題ではなく、千代田区の将来像をどのように見極めるかという観点からです。もう一つは、文化という視点から、千代田区の将来をどう考えるのかという点であります。  基本構想、基本計画は、今後の区政の基本となるものでありますが、また、区民に対しての約束事であります。区民に対して、千代田区の進むべき道を明らかにし、区民生活に安定をもたらし、また、区民の区政に対する参加と協力を願うものでもあります。これを作成するものとして、昨日のお話しでは、全庁を挙げてのプロジェクトチームにより鋭意検討作業とお聞きしました。しかし、これが職員の正規の仕事でなく、正規の仕事を持ちながら合間を縫っての作業だと聞きます。しかしながら、この策定の仕事の重要性を考えると、正規の仕事の合間をぬっての仕事ではできないものであり、専門的に取り組むべきではなかったでしょうか。  自治体職員に人材が集まらない傾向があるという記事を読んだことがあります。その中の理由に、仕事の内容が創造的な面に欠け、これが有為ある青年を他に走らせているとのことでありました。今回の基本構想、基本計画は、千代田区の未来を決定する重要な意義を持つものであり、その策定作業は十分創造的であります。優秀な区の職員の士気を高めるのに格好なものであります。  また、策定に関してコンサルタント会社に委託する予定でもあると聞いていますが、千代田区にかかわり合いの薄い外部会社に委託するよりも、区の職員を専門職にしてじっくり取り組んでもらう方がよいものができるのではないでしょうか。この点については、既に何回も提言されているところですが、区の職員の士気を高める意味で申し述べます。  この点についてお答えをお願いいたします。  次に、都市計画という観点から質問させていただきますが、昨今の土地高騰のそもそもの初めは、国土庁がかつて発表した東京のオフィス需要の予測から始まったと言われています。その予測量の大きさと緩和された金融事情が連動して、土地高騰は東京の中心部から日本全国の都市部へ波及しました。そのオフィス需要は、超高層ビル何棟が近時点で必要になるという予測がされました。このオフィス需要は、現状では、確かに強いものでありまして、オフィスをつくればたちまち買い手がつき、空室率は都心ではゼロという状態が続いているわけであります。そして、ビルの建設は絶え間なく続いています。しかし、いかに巨大都市といえども、その都市が無限に成長するわけではなく、同じくオフィス需要は無限というわけではないわけで、一定の飽和状態が将来出現するわけであります。ビルラッシュと言われる状態は、大変な大きなオフィス床を供給していくわけでありますが、当然、近い将来には供給過剰になることは予測できるのであります。千代田区も含めて近接する港、中央、新宿区における高層ビルの建設は注目されます。東京の一極集中に関する問題から言えば港、中央、新宿は都心として同質に見られますが、都心機能という点からは千代田区とは大きな差があります。丸の内にオフィスを持とうとする企業の希望は大変強いものがあります。そして港、中央、新宿にいては十分な企業活動が行えないとする企業が多数あることは今まで述べてまいりました。昨年度丸の内の近接する周辺で三・三平方メートルで賃貸料が十万円は珍しくなく、平均して二四%上昇したと新聞は伝えています。単に本社が「千代田区丸の内」とあるだけの理由で丸の内に集中するわけはないので、そこにはかけがえのない都心機能が存在するからであります。千代田区の丸の内を中心にしたところにかけがえのない都心機能が存在していることは千代田区にとってはかけがえのない特質であると考えます。  一方、高家賃は都心千代田区の丸の内に対するオフィス需要を弱める力を持っていますが、全体としては、そのかけがえのない都心機能のために依然として強いものが残ると思われます。つまり、東京においてビル建設が進み、オフィス床が供給過剰の状態になっても、都心丸の内の現状がそのまま推移すれば、都心丸の内に対するオフィス需要は少しも変わらず強いまま残ると考えられます。都心に企業を引きつけるものとして、フェース・ツー・フェースという特性があると指摘されていますが、さらに、我が国においては建前と本音という使い分けをするから、なおさらフェース・ツー・フェースに意味があるとの話を聞きました。  さて、千代田区の将来を考えるとき、どうしても世界都市東京の役割を考え、その中で千代田区の役割を考えねばなりませんが、特に、都心の丸の内地区の役割、その大きさを見極める必要があります。ニューヨークやロンドンの中心部を見ても、その大きさは千代田区全域を覆い尽くすようなものではないはずであります。ましてや、副都心の計画のもとに都心機能の分散が強力に行われている現在、都心丸の内の大きさについては、おのずから一定の大きさに定まるものと考えられます。  しかしながら、そこに集中しようとする力は大変つよいものがあることは事実でありまして、これがどのようなものであるかということを明確化することは大変大事でありますし、将来の計画も立てられないということになると考えます。丸の内の大きさを予測することができれば、それをサポートする周辺機能をどう考えるか、その大きさはどのようなものかと考えることができますし、また、居住人口、住宅の配置も考えられるわけであります。  都心集中の問題の一つとして、交通の問題がありますが、千代田区を含めた都心にあと二十万人が居住でき、山手線内に五十万人の居住ができれば交通問題も大幅に解消するものと思われます。東京都においても、住宅計画の具体的な策定が進められていますが、この点にも注目していきたいところであります。  ところで、区の基本構想、基本計画についても、都心丸の内の大きさ、その周辺サポート地区、住宅地区を見定めることなしにそれを進めることはできないのではないでしょうか。つまり土地高騰を引き起こした都心丸の内、そして地価が鎮静化しだし、あるいは下向きでもある現在においても、都心丸の内の恒星的、求心的役割はいささかも揺るがないものであります。その力は、千代田区にとっては強烈なものを持っていると言って過言ではないと思います。  さて、新しい観点から、都市計画的に千代田区を見直す必要があると考えます。土地基本法が定められ、土地は計画的に使用されるべきでものであるとの基本方針が打ち出されましたが、それに従った実行法はいまだ検討中の段階であります。しかしながら、基本構想、基本計画を策定するにはどうしても土地基本法に基づいた新しい都市計画的な考えで臨む必要があるのではないでしょうか。これは現在、住宅基本計画が策定中でありますが、同じく基本的な部分で困っているのではないかと推察する次第であります。公共側でつくる住宅は限度があります。千代田区の将来を見定める住宅数は民間の住宅数いかんにかかっていると考えられます。そうであれば、どのように住宅が地区ごとに建設できるのかという問題に帰着するわけでありまして、これはまさしく新しい意味での都市計画の問題であります。基本構想、基本計画の策定を急ぎ、住宅基本計画の策定は急ぐべきだと私は主張してまいりましたが、都市計画的観点から千代田区の将来を考える作業が欠けているのであれば、基本構想、基本計画も住宅基本計画も、その策定する意義を失ってしまうのではないかと考えます。そして、それは実効性に欠けるものになると考える次第です。  土地基本法の精神を受けて、土地の計画的利用の仕組みが千代田区で実施することに将来なるでしょう。しかし、居住地域であったA地区、職場と居住が混在したB、C地区は大幅に業務地区へと機能変化してしまったと言ってよいと思います。つまり、現行の都市計画によって完成されるはずの千代田区は、その都市計画法の目指すところにもかかわらず実勢は一大変化をしてしまったのであります。都市計画によって変更したのではなく、社会情勢の変化によるものでありまして、私たちはこれを目の当たりに見てきたのであります。この間の千代田区民の悲劇は依然として進行しているわけであります。  この状況に対応するには、新しい考え、新しい都市計画で対応するより方法がないのであると考えます。千代田区全域の一歩進んだ計画的な土地利用という新しい仕組みをどうしても考える必要があるのではないか、これが行われねば、基本構想、基本計画も住宅基本計画も不十分なものになってしまうのではないかと考えます。この対応は担当部局においても、街づくり推進公社においても緊急に開始すべきものと考えます。  この点につきまして、区長及び関係理事者はいかがお考えでしょうか。お聞かせください。  次に、文化という視点から、長期総合計画に関連して質問させていただきます。  都心においては、演劇や舞踊、また、絵画やその他の芸術の発表の場として、世界的にも大変高度なものが開かれています。区民の文化と言えば、そこに住む区民の文化、区民が作り出すもの、あるいは区民が伝統的に持っているものの保護、育成というようなものが自治体の文化行政として普通取り組んでいるものでしょう。しかし、世界都市東京の中心地である千代田区の持つ文化という視点に立てば、もっと広い視野から文化を考えてよいのではないでしょうか。高度な芸術が都心において展示され、上演されているわけですが、また、これは日本全国へ伝わっていく文化の集散地でもあるわけであります。いや世界の文化の一極として世界へ伝わっていく文化の集散地といっても過言ではないと考えます。自治体としてこの機能に関与する方法の一つは、発表の場と便宜を提供することができればよいわけであります。近い将来、内幸町の東電に関係して小ホールができるわけですが、これをきっかけとして文化の集散地としての機能を千代田区が持つことも千代田区の存在理由を明確化するところではないでしょうか。  千代田区は神保町に古書店街を持っています。ここでは貴重な本や資料が取り引されています。かねて主張してきたところですが、これらの貴重な本や資料の収まるところとして千代田区に受け皿を用意する必要があるのではないでしょうか。また、古書店街関係で収集した文化財の寄贈先が新聞をにぎやかしていますが、これもかねてそのような受け皿づくりが必要ではないでしょうか。江戸東京博物館の誘致については大変熱心であった千代田区ですが、ほしかったのは施設だけで、その内容については関心がないのではおかしいと考えます。これからの千代田区の未来を確かなものにするためには、他の自治体にないオリジナリティーを求めることが大事だと考えます。すなわち、千代田区の長期総合計画に求められるものは、区の存立を危ぶまれている現在、区の存在理由を明確にすることであると考える次第であります。それには、世界的にも国内的にも幅広い視野に立ち、千代田区の大変高度な文化的環境に積極的に関与して、これを我が特質、オリジナリティーとし、ひいては区の存在理由の一つとすることが大事だと考えます。  この点につきまして区長及び関係理事者はどのようにお考えでしょうか。  次に、公共施設適正配置について質問させていただきます。  昨日の区長のご答弁をお聞きしますと、公共施設適正配置の推進につきましては、並々ならぬご決意を披露され、私としても心強く感じた次第であります。しかしながら、公共施設適正配置懇談会の運営は昨日のお話しとはそぐわないようにお聞きしております。公共施設適正配置は昭和五十五年の千代田区基本計画に見られるもので、学校規模の適正化、学校教育等検討のための組織の設置となっています。昭和六十年の改定基本計画では、学校規模の適正化、学校、幼稚園の規模の適正化となっています。昭和六十一年に教育条件検討会が児童数の減少と区立学校の望ましい教育条件についてを教育長に報告し、昭和六十二年に第二次教育条件検討会が学校を取り巻く状況の変化と区立学校の望ましい教育条件についてを報告しております。これを受けて、教育委員会では、昭和六十三年に教育条件整備の推進が発表されました。さらに、平成元年においては全庁を挙げて公共施設適正配置検討委員会が組織され、公共施設適正配置構想が発表されたのであります。この間にも我が党の代表質問においても、区政においての重要性から、その推進を提議してきたところであります。危機的な夜間人口の減少傾向は止まるところを知らず、どこまで減少するのか、恐ろしいまでのものであります。この間、区有財産である学校施設を教育条件の検討のもとに統廃合することは、区を救う最も有力なものとして期待されているものであります。  我が国においては法治主義であり、法をもって政治、行政の基本としているところであります。しかし、イギリスのように明文化された法をもたず、前例、慣習を基本にしているところもあることはよくご存じのことと思います。明文化された法に至らない部分においては、議会においても、行政においても前例、慣習、そして意志の決定の積み重ねが尊重されることは当然のことと考えます。公共施設適正配置についても数々の積み重ねが行われており、これらを尊重すべきことは自明の理であります。しかしながら、公共施設適正配置の懇談会において、今までの積み重ねとなじまないような動きがあると聞きます。この点につきましては懇談会の意向を批判するということではなく、議会、行政の仕組みの中で成文法の至らない部分について積み重ねは最大限尊重されるよう期待するものであります。  この点について関係理事者のお考えをお聞かせください。  以上で質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 12: ◯区長木村茂君) 城井議員のご質問にお答えいたします。  まず、基本構想、基本計画についての取り組み体制でございますが、二十一世紀初頭を目標とした本区のあるべき姿を描く新長期総合計画原案の作成に当たりましては、コンサルタント会社への委託ではなく、全庁的な取り組み体制のもとに現在取り組んでおるところでございます。すなわち、幅広く各層にわたる職員の英知の結集を図り、職員参加の検討体制として、管理職、係長、一般職員で構成するプロジェクトチームを発足させ、広い視野と斬新な発想、さらには区民要望を十分に取り入れて、現在、精力的に検討作業を進めておるところでございます。また、プロジェクトチームの上部機関として、その検討の基本方針等を審議するための新長期総合計画策定委員会を設置いたしております。  このように新長期総合計画は、私を先頭に全庁的な体制をもって取り組んでおりますので、ご了承のほどをお願いを申し上げます。  次に、文化という視点からの新長期総合計画の取り組に関するお尋ねでございますが、教育と文化のまち千代田区宣言の中で触れておりますように、千代田区の政策のすべてを文化の視点からとらえ、展開させて行くことが世界都市東京の存在理由を明らかにすることにつながると考えております。今回の新長期計画の策定に当たっては、この教育と文化のまち千代田区宣言並びに街づくり方針の中での文化都心の形成の理念を踏まえつつ、千代田区の特性を最大限に生かし、世界に開かれた魅力あるまちを実現することを基本的な考え方として、文化の視点を十分に取り込んでまいる考えでございますので、ご了承のほどをお願い申し上げます。  なお、詳細及び他の事項につきましては関係理事者をもって答弁をいたさせます。    〔企画部長瀧見浩之君登壇〕 13: ◯企画部長(瀧見浩之君) 城井議員のご質問のうち、公共施設適正配置についてお答えいたします。  公共施設適正配置の検討につきましては、昭和六十一年十二月に庁内検討組織を発足させ、その間に区議会での集中審議を経て、平成元年十二月に千代田区公共施設適正配置構想(案)を取りまとめたことはご案内のとおりでございます。  これを受けて、平成二年一月学識経験者を加え、区民の代表者から成る公共施設適正配置検討懇談会がスタートし、現在、最終答申に向け精力的な審議が進められているところでございます。  ご質問にありました学校に関する問題としては、先ほど教育長からもご紹介がありましたけれども、昨年十二月の中間のまとめの中で、学校については望ましい教育が行われるよう適正な規模と配置が必要とした上で、人口回復、定住促進に積極的に寄与する方向で検討されるべきであると記述されております。  また、当然、懇談会における論議につきましては、従来からの区における公共施設見直しに関する論議の積み重ねを前提に、区長からも懇談会に検討をお願いしており、そうした中で、今回の中間のまとめ、総論が報告されていると理解しているところでございます。  したがいまして、各論を含む最終答申につきましては、区長の決意にも沿った千代田区の危機的な現状を踏まえた内容が得られるものと期待しており、事務局といたしましても懇談会の円滑な運営につき、十分補佐し得るよう努力してまいりますので、ご了承賜りたいと存じます。    〔都市整備部長望月章司君登壇〕 14: ◯都市整備部長望月章司君) 城井議員のご質問のうち、都市計画にかかわる部分についてお答え申し上げます。  ご指摘のとおり、千代田区の将来を考えるに当たりましては、世界都市東京における本区の位置づけ、その中での丸の内地区を初めとする大規模業務地区の役割を十分考慮しなければならないと考えております。この点につきましては、街づくり方針の中でも丸の内地区を含むいわゆるD地域のまちづくりの目標といたしまして、首都の中心として、また、国際都心として、高度で多様な都市機能、すぐれた環境と景観を備えた中枢管理業務地区の形成を図るとうたっているところでございます。  このように今後、当地区がはたすべき役割と致しましては、国際業務機能及び中枢管理業務機能を担いつつ、これにより他の地区との機能分担を図っていくことだと考えております。しかしながら、これらの機能の分担程度や規模につきましては、他の地区との関連もあり、現時点では明確に予測はできない状況でございます。今後、当地区内で業務活動を行っている企業等に対する調査や他の地区における開発動向等十分把握し、さらに、都市の成長管理といった面からも、必要とする機能の質及び量について検討してまいりたいと考えております。  次に、社会情勢の変化により大きく変わってしまった千代田区を、新しい都市計画的観点から見直す必要があるという問題でございますが、これはご指摘のとおり、現在の土地利用規制や用途規制が十分でないことが大きな原因と考えられます。これらの点につきまして、現在、国では、遊休土地転換利用促進地区の指定基準のほか、新しい用途地域等についての検討がされておりますが、いずれそれらの適用についても考えていく必要があると思われます。  一方、区におきましては、既に街づくり方針で地区ごとの位置づけを明確にしておりますが、さらに、現在検討をお願いしております住宅基本計画では、住機能から見た将来の土地利用につきましても論議をいただいております。これは住宅の供給、改善及び住環境の整備を図るという観点からの、いわば土地利用のマスタープランとも言えるものでもございます。  したがいまして、今後は、これらの方針や計画の実現を図るため、地区計画制度等各種手法を積極的に活用して参りたいと考えております。しかし、いずれにいたしましても、住民や企業の協力なくしては具体的な規制等を行うことは非常に困難と思われます。  今後、地域の方々のご理解とご協力を得るべく一層の努力をしてまいりますので、よろしくご了承のほどをお願い申し上げます。 15: ◯議長水野正雄君) 次に、三十五番野口つた子君。    〔野口つた子君登壇〕 16: ◯三十五番(野口つた子君) 一九九一年第一回定例会に当たり、一般質問を行います。  私は、借地・借家法改正問題について、一九八八年第二回定例会、一九八九年第三回定例会でも取り上げ、質問をしてまいりました。法務省の法制審議会が二月四日総会を開き、一月二十二日の民法部会で決めた借地・借家法改正要綱案を承認し、改正要綱として法務大臣に答申しました。早ければ三月中にも国会に提出するというときですので、私は、改めてこの問題について、区長に質問いたします。  借地法・借家法改正問題は、法務省での改正作業が始まって以来、借地・借家人を初めとして、安心して住み続けられるまちを願う多くの人たちから、財界や大企業、アメリカの要求に答えるもので、国民を犠牲にするものであると厳しく批判され、審議の中止を強く求められている内容のものであります。  そういう中で出された借地・借家法改正要綱案は、一昨年の改正要綱案で国民から反対の強かった部分について一部修正はされたものの、肝心の重要な事項については始めから意図した方向を貫いているものであり、一部修正があったからよいという内容ではありません。  今回の要綱案の最大のねらいは借地・借家人を都市から追い出し、地上げを合法化するものであると言わざるを得ません。借地・借家法改悪反対連絡会などの団体が、借地・借家法の改悪は絶対に容認できるものではなく、この内容で国会に法案が提出されるならば廃案に追い込む大運動を展開すると決意を述べておられます。  今回の要綱案の改正するという問題点を幾つか挙げてみたいと思います。  まず第一は、借地権の存続期間です。現行法では、木造三十年以上、鉄筋等の建物は六十年以上でその後、法律で更新が認められております。今回の要綱案では、木造、鉄筋の契約期間を一律三十年にし、更新後の契約期間を十年に縮めてしまうもので、そのたびに明け渡しか更新料の支払いを押しつけられることになります。  第二は、解約の正当理由の問題です。現行の法律では、貸主は、みずから使用する場合などの正当な理由がなければ契約は解除ができません。ところが、今回の要綱案では、土地の有効利用を図るためとか、立ち退き料を支払うということを口実に、建てかえや再開発のための追い出しが容易になるということです。千代田区の住民は昔からの借地・借家人が多いところですから、借り主の居住権や営業権が脅かされることになります。  第三に、地代、家賃をめぐる紛争の解決の問題です。現行法では、当事者間の話し合いが原則でありますが、まとまらないときは裁判所の訴訟手続を経て判決によって決まります。ところが今回の要綱案では、まず、調停の申し立てをすることになります。そして成立の見込みのない場合、調停委員会の調停条項に従うとの書面での合意があるときは、適当な調停条項によって決定されることになります。これでは、借り主の意見が反映されず、貸し主側の意向が強くなってしまいます。さらに、地代、家賃を決めるために不動産鑑定がなお一層重視されるということですから、高い賃料になることは間違いありません。  第四に、定期借地権の問題です。現行法にはありませんが、今回の要綱案には、三つの型の定期借地権を導入します。これは契約期限が来れば更新が認められず、明け渡すことになります。これが今回の要綱案の目玉の一つだと言われ、財界や大企業が大賛成しているものです。定期借地権の地代は土地の値段から割り出すので高いものになり、その土地から収益を上げることのない居住者にはとても向きません。結局、定期借地権を利用できるのは高い地代を払ってももうけることのできる大企業だけということになるのではないでしょうか。つまり、この制度で得をするのは大企業であり、地主なのです。  このような事情のもとでは、土地の貸し借りは定期借地権でということになるおそれがあります。いままでの普通の借地権を定期借地権に切りかえることを強要された場合、弱い立場の借地人はこのことを拒否できるかどうかという問題もあります。また、定期借地権の高い地代は、必ずや普通の借地の地代に悪い影響を及ぼすことは避けられないのではないでしょうか。高い地代では払えないとなれば借地を手放すことにもつながります。  区長は、新年のあいさつの中で、次のように述べておられます。「さて、区政を取り巻く諸情勢には、非常に厳しいものがあります。依然として続く業務機能の集中は、区民の生活環境を悪化させ、昨年末発表された国勢調査の結果にも示されているように、居住人口の減少傾向に歯どめがかからず、このままでは千代田区の存立基盤をも揺るがしかねない大変憂慮すべき状況となっております。私はこのような状況を真摯に受けとめ、区政運営のすべてを人口回復という一点に集中させ、自らを先頭に全職員一丸となって懸命な努力を重ねなければならないものと強く決意をいたしております。」こう述べておられます。住み続けられるまちを目指して、区長にも言葉だけでなく、実際に頑張ってもらわなければなりません。  今、千代田区内で土地や家を借りて商売をし、住んでいる人たちはとても不安を感じております。借地・借家人だけではありません。持ち家の人でも相続税についての心配が頭からはなれないのです。私は、自家ぶろがないので公衆浴場に通っておりますが、最近、だれだれさんの姿を見かけないがどうしたのかしらという話をすると、引っ越してしまってもう住んでいないのです。銭湯のお客さんも一人減り、二人減りと減少しています。また、長い間、借家住まいをしている方は、家がどんなに古くなっても住みなれた借家が一番いいし、千代田区にいるときが一番安心していられると言っていたのですが、隣近所が更地になり、大きなビルが建つ計画が出されてきました。ビルに囲まれてしまっては、その方は今でも体の具合が悪いのですが、それにさらに環境が悪くなったら、ここには住んでいられなくなってしまう、そういうふうに嘆いておられます。  地上げによって飲食店が次々と閉店している地域もあります。そういうところには事務所ビルがふえておりますが、そういうところで昼食をどこでとるかが問題になってきています。ある人から、「昼飯を食わせろ」と言われました。つまり、昼休みに昼食をとるのが大変になってきているのです。区民の大変な状況は中小の事務所勤務の人たちにも影響を及ぼしているのかと思うと、今の千代田区の実態は本当に深刻だと思いました。  今、区民からの相談ごとは立ち退き問題、家賃値上げの問題が多くなっています。また、千代田区の法律相談でも、借地・借家問題が三分の二を占めていると担当の弁護士さんも言われておりました。私たちが安心して生活を続けるためには、決まったところで安定した住まいを持ち、営業できるということが大切だと思います。そのためには、借りている側、つまり弱い立場にある人を守って行くことが大変必要であると思います。  現在の借地法・借家法は弱い立場にある借主を勝手に追い出したり、家賃を一方的に値上げしたりできないような仕組みがあります。しかし、現在の異常な土地の高値、地上げなどで区民は千代田から出て行かざるを得ない現状もあります。  八〇年代は、政府による民活路線で、都心は虫食い状態にされ、めちゃめちゃにされてしまいました。今度は法律で合法的に、さらにまち破壊を進められたのではたまったものではありません。法務省の法制審議会が答申した借地法・借家法改正要綱の内容は、前に述べたような内容であり、現在、横行している地上げを一層進め、区民にとっては、好ましい借地の供給どころか、安心して住めないまちに一層の拍車がかかるのではないでしょうか。  区長は、一九八九年第三回定例会で私の質問に対し、借地法、借家法の改正は区民生活や本区のまちづくりに深いかかわりを持つもので、今後、どのような内容で改正要綱試案が作成されるのか、その過程を十分注視してまいりますと答えておられますが、今回の改正要綱について、どのように受けとめておられるのか、まずお尋ねいたします。  私はこの借地法・借家法の改正は、借地・借家人の立場を著しく不安定にし、住み続けることや営業を続けて行くことに重大な影響を及ぼすものであり、やめさせるべきものであると思っています。  このことについても区長の見解をお尋ねいたしまして、私の一般質問を終わります。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕
    17: ◯区長木村茂君) 野口議員のご質問にお答え申し上げます。  現在の借地法・借家法は大正十年に制定され、その後、昭和十六年に正当事由の改正が行われましたが、以後大きな改正も行われぬまま、今日に至っておるものでございます。  このように借地・借家法制の枠組みが固まってから今日まで、約半世紀を経過致しておりますが、この間の社会、経済情勢の変化は著しく、これに伴い借地・借家を取り巻く状況も大きく変化し、現実に合わなくなっておるのではないかとの問題があり、その見直しの検討が行われておるものと認識をいたしております。  本年二月に決定した「借地法等改正要綱」の作成に当たって、法制審議会は借地・借家法改正に関する問題を公表して、各界の意見を求め、それに対して提出された意見を参照して改正要綱試案を作成致しました。この改正要綱試案に対しても、再度各界からの意見を求めて審議を続け、試案を一部修正して要綱案を作成、法制審議会に諮問して決定するという手続を踏んでまいりました。この要綱に対してさまざまなご意見があることも承知をいたしておりますが、この要綱を受けて作成される法案がどのようなものになるかは目下のところ不明でございます。  今後、法案の作成状況等の推移を重大な関心をもって見守ってまいりますので、ご了承願います。  なお、詳細につきましては、関係理事者をもって答弁をいたさせます。    〔都市整備部参事黒澤功君登壇〕 18: ◯都市整備部参事(黒澤功君) 野口議員の借地法・借家法改正問題について、区長答弁に補足してお答えいたします。  借地法・借家法の趣旨とするところは、貸し主と借り主との関係を具体的事情に応じて適切に規律することができるようにすることであります。したがいまして、貸し主と借り主の権利義務関係がどうあるべきか、当事者の公平な利害調整は、現在の社会経済情勢のもとではどうあるべきかとの視点に立って、借地・借家法を見直そうとするのが今回の法改正の目的であると理解いたしております。  今回の法改正検討の経過ですが、昭和六十年十月に法務省法制審議会民法部会で審議を開始、翌十一月には借地・借家法に関する問題点を取りまとめて公表いたしました。これに対して、広く国民の声、意見を反映させていくとの観点から、各界からの意見を求め、審議を続けました。そして平成元年三月に「借地法借家法改正要綱試案」として公表し、再び各界からの意見を求めました。その結果、大学や裁判所、日本弁護士連合会等法律関係団体、借り主団体、そして貸し主団体など多くの団体からさまざまな意見が出されました。民法部会では、これらの寄せられた意見を参照にしつつ、審議を続けて、改正要綱案を作成し、法制審議会に諮問いたしました。法制審議会は諮問どおりに答申し、改正要綱が決定するという手順をとってまいりました。  主な改正点は、野口議員からもご指摘がありましたように、正当事由を明確化したこと、借地権の存続期間を変更したこと、定期借地権を創設したこと、調停前置主義を採用したこと、確定期限の借家を設けたことであります。また、法改正が行われた場合の既存の借地・借家関係への適用問題についても記述されているところでございます。  以上のような経緯を経て作成された要綱でありますが、借地・借家関係は必然的に長期にわたる法律関係であり、国民生活に大きくかかわる問題でもあります。また、本区の人口対策、まちづくりにも大きな関係を持つものでありますので、その改正は慎重に行われる必要があると考えております。  したがいまして、これから提出されると言われる法案の内容はどのようなものになるのか、既存の借地・借家に対する適用はどうなるのかなど注意深く見守るとともに、もし、法案が提出されたならば、国会の場におきまして幅広い視野に立っての十分な論議が尽くされることを期待するものでございます。よろしくご了承賜りたいと存じます。 19: ◯三十五番(野口つた子君) 自席から再質問させていただきます。  借地・借家法現行法は、先ほども述べましたが、弱い者の味方という立場をとっているということが現状だと思うんです。今、区長がいろいろとご答弁されましたけれども、法改正してから時間がたった。それから、社会情勢が変わったと言いますけれども、今、千代田区で問題になっているのは、地上げで人が減らされちゃうことがすごく問題なわけですね。そういう社会情勢に変わっているわけです。では、家主協会の会長は何かと言ったら、地上げ屋なんですよ。悪徳と言われる地上げ屋が家主協会の会長なんです。そういう意見をまともに聞いて法律改正したらどういうことになるか、もうはっきりしていると思うんです。  区長は、今定例会のあいさつで所信表明を述べられましたけれど、その中で私聞いておりまして、今度は人口対策について構えた発言をしたなというふうに思ったんですよ。ところが、実際、具体的にいろいろな問題を聞きますと、どうも言っていることと違うんじゃないかというのをすごく感じちゃうんです。ですから、本当に今の人口対策に本腰で取り組むというのだったら、法律まで変えて追い出しを図ろうという、地上げを合法化しようというような内容が含まれている今回の「改正」と言われる中身、本当にじっくりみていただいて、千代田区民が追い出されないような立場をとってもらう、区長として、自治体の長としてはっきりとした立場をとってもらうということが私は今大変重要なんじゃないかというふうに思うんです。  ですから、見守るとか、国会で審議をしていただくとかというだけで人口対策ができるのかということを私は強く言いたいんですね。その辺について、やはり今の千代田の社会情勢の変化というのは、区民がまともに暮らせないような状況に地上げ屋などにやられちゃったという現状があるわけですから、そこから、区民を守るためにどうするかということを自治体の長として、区長としてはっきりとした態度をとっていただかなきゃならないと思います。  そういう点で再質問いたします。    〔区長木村茂君登壇〕 20: ◯区長木村茂君) 借地・借家法ができ上がったのは、先ほど私申し上げましたように大正十年ですね。だから、大正から昭和の戦争前までは、大家は親同然、たな子は子供同然という、貸し主と借り側で信頼関係があった。最近は、やっぱり新聞にも出ていますけれども、そこをマンションを建てるといっても、私はここは絶対どかないんだとか、もう何十年もいるから、金輪際ここはどきませんとか、そういうふうに言い張る人。それから、地主さんが三十軒家作を持っていて、そこの地主さんが亡くなった。あとを継いだ息子さんが今度は地主が私に変わりましたよ、名義がこうなりますよと、通知を出す。そうすると、三十軒のうちでたった二軒だけ、「これからもひとつよろしくお願いいたします」という添え書きがある返事が返ってこない、ちょっと最近は家も土地も資産という、社会情勢がえらく変わりましたから、やはり権利義務という方がむしろ信頼関係より上へいっちゃって、そういう意味で、今度定期借地権ですか、それが一番の柱になるんだろうと思う。しかし、まだ、法案はでき上がったわけではない、その推移はよくこれから注意深く見ていくと。  ただ、千代田区で、居住人口が減っているところの区長としてどうするか、それは借りている方にも、貸している方にもいろいろな事情があるわけでして、それはやっぱりお互いの信頼関係の中で円満に、そのまま住み続けられるようにというのが一番だと思う。それが高度利用されて、有効にその土地なり、家も利用されることもかたがた望ましい。なるたけ同じ区民同士ないしは地主さんとたな子さんということで、信頼関係のもとにケース・バイ・ケースで人口減につながらない方向で解決されるのが一番望ましいと、こういうふうに自分自身は考えております。 21: ◯議長水野正雄君) 次に、三番大宮正義君。    〔大宮正義君登壇〕 22: ◯三番(大宮正義君) 平成三年第一回定例会に当たり、私は自由民主党議員団の一員として、一般質問をさせていただきます。  私は、駿河台、小川町地区に住んでおりますが、この地域の開発がこれからの千代田の将来を占うものとして、この地域の開発のあり方及びそれにかかわる区の関係についてお尋ねいたします。  駿河台一帯のかなめとなるのは御茶の水駅舎の改修であります。御茶の水駅の乗降客は一日二十六万人にも及び、全国有数の駅であり、一昔前の学生駅とは全く異なる様相を持っております。かつて学生中心で、それなりに余裕もあり、牧歌的な要素に満ち、一種の文化的香りのある駅でありましたが、現在は学生以上に通勤客が増加し、朝晩の駅は通勤、通学客で膨れ上がり、危険を感じるほどのものになっております。  現在、JR東日本と東京都と話し合いを進めており、とりあえずは地境の認定、また、駅舎側の護岸工事などあるようですが、東京都との話し合いがつけば、台風シーズンの過ぎた後、早ければ今年秋口より工事にかかれるそうであります。工期は四年ないし四年半、予算は今のところ六十五億が予定されておることは、通勤客のみならず周辺住民にとって大変な朗報であります。また、地域別街づくり方針で述べられております御茶の水駅駅舎周辺整備については、交通量、歩行者の流れの変化や駿河台地区の地域特性や地域の将来像を踏まえるとともに、町並み、景観ともバランスのとれた建物形態に配慮した周辺整備を進める新たなイメージの形成を図りますと言われております。  ご案内のとおり、ごく最近の御茶の水周辺では、急速な開発が進んでおります。日立本社ビル、日販ビル、中央大学跡地における大正海上火災、さらには、近時における杏雲堂ビル等々多数のオフィスビルの進出が図られております。一口で駿河台一帯の状況を統合すれば、第二丸の内、大手町化が最も顕著に進行していると言っても決して過言ではないのであります。丸の内から大手町へと進んだ都心の事務地化の最先端が御茶の水を中心とした駿河台一帯を考えて間違いないと思います。  しかしながら、現在、この地域は、決して丸の内になっているわけではありません。業務地化は進展しているといっても、決して住居地域を完全にのみ込んでいるわけではなく、文教施設も、また、確固として残っており、商業地域は内容の変化を伴いながらも隆盛を極めております。何よりも特筆すべきものは、業務地化の進行にもめげず、相当数の住民が頑張っておるこの地で商売を継続することを決めておるところであります。一口でこの地域について言うならば、千代田区全体の今後を占うモデル地域としての資格をすべて持っているところであります。業務地と住宅の混在を固定化し、今後の業務ビル化に住宅の付置を制度的に強要し、また、環境保全を推し進め、御茶の水川の流れるごとく駿河台の自然のイメージ回復に努めるならば、それは街づくり方針にうたわれた千代田区総体のイメージの縮小版としての効果を持っておるはずであります。  この地域の環境に関しては、まだ多くの可能性が存在すると思います。例えば、中坂通り、明大通りの歩道の拡幅及び樹木の植えかえもその例であります。狭い歩道にあふれて歩く住民、通勤客にとっては大きな福音をもたらすことになると考えます。また、この駿河台地域は、夜間人口と昼間人口との交流のモデルケースとしての場を提供することができると考えます。丸の内化が完成していないこの地域は、日常的に勤務者、学生と商売等を通じて住民との交流が行われておるところでございます。この交流がより組織的に、つまりこの地域における歩行の回遊性やその他の施設、例えば、商品展示地、地域の案内所などによって促進されるならば、新しい交流の実践地域となると考えます。そのルートとして、JRと地下鉄の動線を検討することは大変意味のあることではないでしょうか。居住の継続という課題に重点をおく商業地域伝統維持と地域のイメージにすぐれた役割を果す学校、それに活力と近代化を発展する地域を保証する企業の三者が競合し、協力しあって、明日の駿河台のあり方を決定していくものと考えております。  しかしながら、何よりも重要なのは業務地化が人口を減少させ、人の住まないまちにしてはならないことであります。商業地域における新しくオフィスビルとなるところについても、住民の居住を促進する措置が必要と考えます。  ところで、この地域における区の果すべき役割についてお尋ねいたします。  御茶の水駅の改修を含めたこの地域の総体的なプランを区としても作成すべきだと考えておりますが、いかがでございましょう。そのようなプランは、単にこの地域にとどまらず、開発が予定されているすべての地域に応用されるものと思います。  次に、御茶の水駅舎の改修と、その周辺に及ぼす影響について、区の働きかけであります。駅舎の設計はほぼ固定されたものと聞き及んでおりますが、周辺地域の変化に即して柔軟性をもつものであってほしいと思います。区としては、茗渓通りの広場化を促進し、これに伴い、駅舎をもそれにふさわしいものとしていくべきと考えておりますが、いかがでございましょう。  最後に、区の施設を含めた区有地は、この地域の発展に対して寄与するところであります。区としては、現在、どのような検討をされておるか、公表するものがあればお聞かせいただきたいと思います。いずれにいたしましても、現在、開発及び業務地化の最先端にあるこの地域の対応は、あすの千代田全体のあり方を指向するものと考えます。  区長並びに関係理事者のご答弁をいただきたいと思います。  以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 23: ◯区長木村茂君) 大宮議員の御質問についてお答え申し上げます。  現在、JR東日本が進めております御茶の水駅舎の改築並びにその周辺整備につきましては、神田の文化の表玄関としてのこの駅の性格を、より強く意識して進める必要があろうかと考えております。このため、駅舎の改築、整備につきましては、交通量、歩行者の流れの変化や駿河台地区の地域特性や地域の将来像を踏まえ、町並み、景観とのバランスを配慮するとともに、機能面におきましても二十一世紀に向けて先端性を持ったものとしていくことが求められております。  また、駅舎は、まちのゲートであり、それに続く商店街との連続性につきましても、十分配慮する必要がございます。当御茶の水駅周辺は、大学、専門学校などの教育機関、病院、古書店街、スポーツ用品街などが集積し、最近では大企業の本社なども数多く立地をいたしております。同時に、歴史的にも著名な建造物や史跡も多く、都心の中でも極めて魅力的な雰囲気を漂わせた区域でございます。区といたしましては、この駅舎改築を周辺地域の活性化の大きなチャンスとしてとらえ、JR東日本に対してさまざまな要請を行ってきておるところでございます。また、地域におきましても、地元商店街や地域の学会、文化的施設の連絡会などが積極的に意見交換を行っております。  今後、秋口にかけて、この計画がさらに具体的化してまいりますが、区といたしましては、地域の皆様の御意見を十分吸収しながら、まちづくりの総合調整者としての役割を着実に果たしていく決意を固めております。その際に、近隣の公共施設のあり方につきましても、御茶の水周辺地域の発展に寄与する施設展開となるよう鋭意検討してまいります。  いずれにいたしましても、この計画が単に駅舎の改築にとどまらず、神田地域全体によりよいインパクトを与えるものとなるよう総合的な取り組みを進めてまいる覚悟でございます。  なお、詳細につきましては、関係理事者をもって答弁いたさせます。    〔都市整備部長望月章司君登壇〕 24: ◯都市整備部長望月章司君) 大宮議員の御質問につきまして、区長答弁に補足してお答え申し上げます。  JR御茶の水駅舎の改築につきましては、近隣の再開発の進行に伴う業務人口の増加、また、千代田線など隣接地下鉄網の整備などにより増加を続けた乗降客の安全確保を前提としながら、都心型未来志向のモデル駅とするべくJR東日本が行いました御茶の水駅公開プロポーザル・デザイン・コンぺティションがベースになって検討が進められております。これは鉄道単独事業に加えて、地域のまちづくりへの参画を目指すとするJR東日本が、御茶の水をJR東日本とこの地域のシンボルとして整備を進めるとの決意のもとに進行しているプロジェクトであると考えております。  本区といたしましては、この計画の初期段階からJR東日本に対しまして基本的に三つの要請をしております。その一は、乗降客にとって安全性及び利便性の高い駅舎とすること。その二つ目は、地域の活性化に貢献する駅舎として地域協調型の整備を行うこと。その三は、御茶の水の歴史と文化を内包し、これを新たな形状で展開することでございます。  去る平成元年十月に発表されました公開コンペ最優秀作品はおおむね本区の要請を満たしていると判断しております。今後、この作品をベースにした具体的プランにつきましては、今後の調整に入ることになりますが、区といたしましても、この改築計画の進捗にあわせまして、地域の発想を尊重した地域整備を進めて行く考えを持っております。  その際にご提言のありました茗渓通りの整備につきましても、地元商店会や近隣企業等と意見交換を行いながら、歩行者にとって快適で楽しい道路となるよう、また、地域の活性化につながるよう、そのような街路となるよう努力してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、この駅舎改築と隣接街路などの周辺整備につきましては、御茶の水という土地が培ってきた歴史を巧みに引き継ぎ、駿河台一帯の総合的な地域整備を念頭に置きながら検討を続けてまいりますので、御了承のほどをお願い申し上げます。 25: ◯議長水野正雄君) この際、会議時間を延長いたします。  次に、十七番竹田靖子君。    〔竹田靖子君登壇〕 26: ◯十七番(竹田靖子君) 一般質問をさせていただきます。  まず最初に、生涯学習の問題について。  今や、日本全国、あちらでもこちらでも生涯学習が合言葉になり、「生涯学習時代の到来」などと言われています。しかし、この到来という意味は、自然界の表現である冬将軍の到来とか、春の到来とか言われる、そういう自然のたぐいのものではなく、「生涯学習時代の到来」とは、あくまでだれかが意図して持ってきたものと言えましょう。  第二次大戦後二十年を経た一九六四年にフランスのポールラングランがライフ・ロングラーニングを提唱しました。それは先進諸国を念頭に置きながら、やがて来る新しい時代を生きるために、国、企業、資本家、労働組合が労働者に教育のチャンスを与えなければならないという内容でした。その理由として、一、世界の人口が急激に増加する。二、戦争によって科学技術が急激に進歩した。三、その科学技術によって、世の中の仕組みが変化している。四、主権在民国家の出現で人々に社会的責任がふえた。五、余暇時間の増加。六、文化芸術が普及した。七、伝統と因習が薄れ、生活と行動のモデルがなくなった。八、女性の高学歴化など教育に対する考え方が大きく変化したことなどにより、生きて行くために常に学ぶ必要性が生じたということです。  さて、日本においては、中曽根政権時代に内閣直属の臨時教育審議会を設け、昭和六十二年の答申で生涯学習が教育改革の基本理念として打ち出され、文部省が新しい教育政策の柱にしてきたものです。しかし、審議会の言わんとするところは、教育には金がかかる、その金を国が倹約するために、生涯学習という大義名分で、国民はみずからの金でみずから学べという方向に意図的にすりかえたにすぎません。  そもそも大人が学ぶということは、一人ひとりがみずからの人生を悔いなくどう生きるかを学ぶということです。自分が自立して生きるための、単なる物知りではなく、自主的に自由な思想を持ち、たくましく生きて行くことが生涯学習の基本でもあります。そのためには、社会的、公的機関の保障がぜひとも必要になります。  総理府が行った世論調査で、一生を通じていつでも、仕事や日常生活に必要なことを学んだり、スポーツや芸術・文化に親しみたいと思うかという設問に対して、全国の成人回答者の八割がそう思うと答えました。しかし、仕事や家事の忙しさ、費用がかかる、身近にそのような施設がないなどの理由で、六割の人が現実には何もしていないのが実態です。このことを考えても行政が担う役割は、施設の設備をもっと豊かにすること、学ぶための費用を援助することだと言えるのです。  一九八五年三月、パリで開かれた第四回ユネスコ国際成人教育会議は、「学習権宣言」を採択しました。生涯学習がすべての人の権利であることを明示した国際文書はこれが初めてです。ユネスコと国連が一九七四年に採択した有給教育休暇条約、同じく一九八九年の子どもの権利条約と並んで、二十一世紀の人類の方向を指し示した重要な宣言です。この宣言には、すべての人々は生まれながらに学習権を持っている、国家と社会は人々の学習権の保障のために最善の努力をしなければならないという思想が脈打っています。  現代とは、学習権を基本的人権として確立する立場に立って人々が学習権の保障と充実を国や自治体、社会に求める時代なのです。そして、地域のかけがえのない個性と伝統が重んじられることが必要不可欠です。また、生涯学習構想は、行政の一方的な施策であってはなりません。あくまでも区民が創意を生かし、区民の生涯学習活動を援助するための指針であるべきです。つまり、区民の自治と自由の精神が生涯学習を生き生きとしたものにするということです。いやしくも生涯学習を行政の下請けや手段としてはなりません。生涯学習の主体は区民であること、そのための条件整備は教育の論理を重視して、長期的かつ計画的に行われる必要があります。  そこで、お尋ねいたします。  一、千代田区においては生涯学習の理念をどう思っておられるのか。  二、新長総計画の中で、生涯学習への対応が必要と考えられますが、長総計画の中でどういう位置づけで行われるのか。  三、生涯学習に対して、区民の参加の仕組みをどう保障して行くのか。この点についてお答えいただきたいと思います。  次に、ごみ問題に入ります。  このところ新聞紙上ごみの問題が毎日のように記事になっています。このことは、とりもなおさず、ごみ問題に対する人々の関心が大きく、環境問題としてとらえられ、緊急の課題として無視できなくなったことのあらわれです。一九七一年美濃部都政時代に、ごみ戦争は既に提起され、論議を重ねていました。焼却によってプラスチックの燃えかすが炉につき、狭くなったために、それをはがすのに三十六時間もかかることや、産業廃棄物が家庭ごみの十倍にも及ぶこと、生産のみで肥大化した使い捨て文化をそのままに放置してきたことが二十年たった現在、つけが回ってきたということなのです。  東京湾の最終埋め立て処分場を一望すると、その荒涼たる風景の中に走り回るごみ収集車があたかもおもちゃのミニカーのように私には見えました。そして風に舞い上がったビニール袋が冬枯れの木々に綿帽子のように連なっている光景や、無数のカモメが生ごみをあさっているありさまを見ると、なにやら地球のなれの果てを見る思いでした。その処分場も、このままではあと一年たらずで満杯となり、その後の計画は全く見通しが立っていません。このままでは、二年後の東京は町中ごみがあふれかえるということも覚悟しておかねばなりません。  ごみ増量の原因は、大量生産、大量消費を基本とする資本の論理にあります。一例を挙げれば、値札をつけたままの新品のワイシャツがトラック十台分も処分場に運び込まれてきたということです。その理由は、流行おくれとなったデザインは商品として通用せず、また、それをリサイクルに回す手間や経費よりも一トン当たりの処分費の方が安上りという現実のもとで処分場に運び込まれてきているとのことです。第二十二次地方制度調査会の答申の中で、一般廃棄物の収集運搬に関する事務の移譲に関し、住民の理解と協力、関係者間における速やかな意見の一致が望まれるとあります。  そこで、千代田区において収集運搬業務が移譲された場合、麹町、神田清掃事務所に収集作業員は配置されていますが、収集車は現在江東区八枝に駐車しています。その駐車場を千代田区内に確保するというごく初歩的な作業もままなりません。また、江東区と大井の清掃工場に運ばれている現在のごみの中間処理施設を千代田区ではどうするのか、また、現在、工場の処理能力を上回るごみや、工場の焼却に適さないごみを東京湾の中央防波堤埋め立て処分場に持って行っておりますけれども、それを千代田区としてはどうするのか。そして、交通渋滞があると、一日四回の作業回数をこなすことができなくなったり、工場の処分状況で予定どおりの処理施設に運ぶことができずに工場の変更を余儀なくされる場合など、今かろうじて一元化の中で処理されていることも不可能となります。自区内に工場も処分場もない中では、ごみ行政は身近な自治体が行うことが理想であっても、現況では無理と言わねばならないでしょう。また、現在、ごみ運搬車の七割が民間の車と運転手で実施されていますが、労使や公民作業員の区別なく清掃事業に携わる関係者は二十三区中心に広域行政の中で東京都が行うべきだと要望しております。  昨年十二月の区政懇談会において、ごみの収集運搬が区に移管された場合の住民のメリットは何かという質問に対して、区は、日曜日に運動会でごみが出ると区の清掃車が収集する。分別もまたしかり、つまり皆さんの身近な区は細かく知っているが、都の雇い上げではわからないことがあると思う、そういう問題できめ細かくサービスができるようにすると答えています。しかし、現状の状況でも、作業員の人たちはまちの隅々まで熟知していますし、収集の要請があれば、小型車で日曜日でも作業を行っています。もし、仮に行えなかったことがあるとすれば、それは収集運搬に関してではなく、あくまでも工場の処理問題、処分場の都合とのことです。ですから、現在でも収集から処分に至るまでトータルに考えてぎりぎりの線で行っているということが実態なんです。そのことを区当局はご存じの上でご答弁されたんでしょうか。区民への答弁はあくまでも何がどうなっているかを現状把握を含めて説明する必要があると考えますが、いかがですか。自治権の拡充は是非とも必要であり、これを否定するものではありません。しかし、千代田区において、事ごみに関して自主性を大いに発揮し、できる見通しがあるのかを行政の責任としてお答えいただきたいと思います。  次に、ごみ問題と切っても切り離せないものにリサイクルがあります。先月の末、私たちは東京都に対し、リサイクル促進のために具体的事業の展開を求める請願を行いました。たった一ヵ月足らずの署名運動の中で三十六万名に及ぶ署名が集まったことはリサイクルに対する関心の高さを物語っています。  まさに今までの資源浪費型から資源再利用型社会への転換です。ごみ問題は単に個人の問題ではなく、国際的な地球環境、汚染問題まで含めた企業の責任や、また、燃やすか、埋めるかだけの清掃行政だけでは解決できない問題です。そして、環境や再資源化に消極的な行政の責任、加えて便利さや快適さだけが価値基準となってしまった私たち生活者の責任でもあります。  この署名運動は、それらを含めて行政としての対応を求めたものです。国においては、廃棄物処理及び清掃に関する法律、都においては、清掃条例で規制されてはいますが、国も都もリサイクルについての理念は希薄であり、ごみや廃棄物の再資源化を徹底する新たな法的規制がどうしても必要となってきます。  しかし、ごみとともに再利用可能なものまで日一日とふえ続け、廃棄される現在、とりあえず住民の身近な区が今できることを考えねばなりません。  例えば、十世帯から十五世帯の小人数で気軽に有価物集団回収ができ、その収益をサークル活動に生かす方策をこの二月に打ち出した杉並区当局の例や、仙台市の例、また、板橋区では、老人クラブ連合会の活躍があります。神戸市では八割近くの小学校で校庭にアルミ缶とスチール缶の分別回収かごを設けて、昨年度の売却益は何と百十万円に及びました。各学校の回収分に応じて市の補助金を上乗せし、一校当たり三万円の図書券がそれぞれの学校に送られたとのことです。また、千葉県松戸市では、行政側が学校に出向して「ごみ授業」を行っていること、この「ごみ授業」がきっかけで文化祭のテーマに取り上げられたり、子供モニターによるごみ減らし議会が開かれたりして、全国から注目されているとのことです。  身近なところから手軽に行えることは工夫すればたくさんあります。要は区民に対する行政サービスとしてのやる気の問題だと考えますが、区におかれましては、どのような具体的対応を計画中かお答えいただきたいと思います。  以上で一般質問を終わらせていただきます。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 27: ◯区長木村茂君) 竹田議員のご質問にお答え申し上げます。  まず、生涯学習の理念についてでございますが、みずからの人生を自主的に悔いなく、たくましく生きていくということにつきましては、ご指摘のとおりでございます。より充実した人生を有意義に送るため、みずからの意志で生涯にわたって行う学習を生涯学習と理解をいたしております。  私も生涯学習については大変重要でかつ意義深いものと考えております。そして今、行政がその対応としてハード、ソフト両面を含めた条件整備が求められておることにつきましてもよく承知をいたしております。  こうした状況のもとに、区といたしましても、現在、プロジェクトチームにおいて作業中の新長期総合計画の策定に際して、新しい社会の潮流に即応したものとしての生涯学習について、施策の重要な柱として検討中であります。また、今後、区民各層、各界のご意見を広く取り入れまして、生涯学習の主要な位置づけを占める教育委員会とも十分連携を図りつつ、生涯学習の体系化とその具体的な推進施策及び区民参加の方策等につきましても、今後、十分検討してまいりたいと思っております。  なお、他の事項につきましては、関係理事者をして答弁をいたさせます。    〔企画部長瀧見浩之君登壇〕 28: ◯企画部長(瀧見浩之君) 竹田議員のごみ問題のご質問のうち、都区制度改革関連について、私からご答弁申し上げます。  昭和六十一年の都区合意において、特別区に移管すべき事業の一つとしてごみの収集運搬事務が取り上げられ、また、昨年九月の地方制度調査会の答申の中でも、この事務が特別区を基礎的自治体に位置づけるための最も重要なかなめとなって位置づけられております。また、その重要性から、地方制度調査会答申においては、移譲については住民の理解と協力、関係者の速やかな意見の一致が望まれ、さらに、制度改革に当たっては、清掃問題を含め一括して実施すべきであるということがうたわれております。  清掃事業について当区の実態を見ますと、現在、都がこれに携わる中で、清掃事務所二ヵ所、中継施設一ヵ所で年間約十五万トンのごみが処理されております。もちろん現状において清掃車の車庫、清掃工場等は他区の施設に依存していることはご案内のとおりでございます。また、当区特有の状況といたしまして、オフィスごみの増加傾向や交通事情の問題等の実態、それから、きめ細かな区内における収集実態等の状況も当区として把握しておるところでございます。  こうした状況下で、当区として考えただけでも清掃事業の移管問題は相当の条件整備が予想されるところでございますし、また、二十三区全体の問題についてもしかりでございます。しかしながら、清掃事業は区民生活にとって最も身近な行政サービスの一つであり、基礎的自治体がこの事務を処理すべきことは法も求めているところでもございます。したがって、ごみの収集運搬事務が区に移管されることによって、ごみの減量化やリサイクル事業等とリンクしたきめ細かな行政サービスの展開が期待できるところもございます。  いずれにいたしましても、現時点において清掃事業の移管問題については、今後の制度改革の具体的な動向並びに当区としての実情、実態等に対するきめ細かな、その内容等の把握並びにその方向性の検討など多くの課題が山積していると認識しております。  こうした状況を十分見極める必要があるかと存じますので、よろしくご了承のほどをお願い申し上げます。    〔区民部長加藤忠君登壇〕 29: ◯区民部長(加藤忠君) 竹田議員のごみ問題についてのご質問のうち、区のリサイクルに対する取り組みについてお答えいたします。  ご指摘のとおり東京のごみ問題が深刻化し、将来のごみの収集運搬業務の区移管をも考慮しますと、ごみの減量や資源化の問題は今後とも区政の大きな課題であると認識していろであります。区民や企業に対して、ごみ減量の問題についての理解を深め、その実態を認識してもらうようPRするとともに、これまで行ってまいりました有価物集団回収事業に加えまして、平成三年度からは新たに始めますリサイクル情報の登録提供事業などリサイクル関連事業の拡充に努めてまいりたいと考えております。  ご案内のとおり、本区では、ごみの減量と資源の再利用を目的として昭和四十九年から町会、回収業者と一体となって有価物集団回収事業を行っております。回収品目は、新聞紙、雑誌、段ボール、空き瓶、布類などで、近年の区民のごみ問題に対する関心の高まりもあり、平成二年度は区内七十六町会で実施し、前年度比約四〇%増という大幅な回収量の増加が見込まれております。  他のリサイクルにつきましては、例えば、空き缶につきましては、回収ルートの違い、アルミ缶とスチール缶との分別や圧縮の必要性、また、ストックヤードの確保など今後解決すべき問題が多く、集団回収の対象にはなっておりませんが、今後の課題として、より効果的な方法を調査研究してまいりたいと考えております。  なお、現在、区内の二町会でアルミ缶の回収を行っており、また、近く始める予定の町会もございます。これに対しましては、都清掃事務所では空き缶圧縮機を貸与するなど支援をしております。区といたしましても関係機関との連絡や相談など今後ともできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。  また、牛乳パックにつきましては、上質のパルプ材から作られており、利用価値が比較的高く、都内の各地で消費者団体などが行政の支援を受け、回収に取り組んでいるということを聞いております。区内でも、麹町婦人会が昨年十月から試行的に回収に取り組んでいることを聞いております。これに対しては、区では運搬や一時保管など支援をいたしております。牛乳パックの回収はきれいに洗って開き、乾かすなど手数がかかり、また、一トン約三万枚でございますが、まとまらないと業者が引き取らないというような問題点が多くあります。
     したがいまして、区といたしましては、当面この運動が他地区にも普及するよう働きかけながら、ストックヤードの確保や回収ルートの確立など条件整備に努め、できる限り支援してまいりたいと考えておりますので、ご了承願います。  ご指摘にもございましたが、住民に身近な区が取り上げることのできるリサイクル施策は多々ございますが、ひとり行政のみではおのずから限界があり、消費者、区民また企業の理解と協力が是非とも必要であります。  区といたしましては、今後とも区民や企業に対して、ごみ問題やリサイクルについて一層の協力を呼びかけるとともに、庁内各部、国や都とも十分連携し、リサイクル関連施策の充実に努力してまいる所存でありますので、ご了承賜りたくお願い申し上げます。    〔教育委員会事務局次長大杉宏光君登壇〕 30: ◯教育委員会事務局次長(大杉宏光君) 竹田議員のご質問のうち、ごみのリサイクルの問題にかかわります学校教育に関連した事項についてお答えをいたします。  物質的に大変豊かな今日の社会の中にありまして、無駄のないよう繰り返し物を再生利用し、活用していくということは限られた地球上の資源を有効に活用していくためにも大切なことであるというふうに考えております。子供時代の小さな時期から、物を大切にする意識を育てていくということが大切であることは言うまでもございません。学習指導要領には、小学校におきましては、四年生の社会科、「地域の人々の生活」あるいは五年生の家庭科「家族の生活と住居」という中で、また、中学校におきましては、地理の「日本とその地域」公民科の「国民生活の向上と経済」あるいは技術家庭の「住居」という科目の中で、それぞれごみ問題や身の回りの品物の活用の仕方について取り扱われ、学習を進めるようになってございます。  本区におきます各学校でのリサイクルに関連した活動といたしましては牛乳パックを再生して作った手づくりのはがきによる生活科の学習あるいはビニールパックを実験器具として利用した理科の学習あるいは空き箱などを材料にいたしまして図画工作の学習などがございます。  そのような活動を積極的に行うため、本区の学校の中には家庭から不要になったものを子供を通して集め、活用しているところもございます。リサイクルの問題は現在教育面で大きなテーマになっておりまして、全国的にもそれぞれの地域の特性を生かしながら創意工夫がなされておるところでございます。  今後も本区におきましても、体験学習を通して物を大切にする実践的な態度が養われるよう努めてまいりたいというふうに考えております。よろしくご理解のほどをお願い申し上げます。 31: ◯十七番(竹田靖子君) 自席から再質問させていただきます。  まず最初にですけども、先ほどの生涯学習の問題について、長総計画の中で積極的に位置づけていくというご答弁がありましたけども、その中で、区民参加の問題について、やはりこれは私の質問にありましたように施策を上から下に流すのではなくて、下からの盛り上がりを待つ形で行政も対応していく必要があるだろう。その下からの盛り上がりをどういうふうにとらえるかということは、そこで区民参加がどう行われるかということにつながってくる問題でありまして、例えば、区民参加の形をどういう形で考えておられるのか。例えば、審議会何なりを設けて区民の考え方を聴取していくのか、その辺をもう少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。  それから、ごみ問題について、企画部長の答弁ですけども、条件整備は必要認識している。それじゃ、これは六十一年の都区合意の中で区への移管問題というのができてきたわけですが、それから何年かたっております。その中で、千代田区にとっての条件の整備はいかなるものかということを具体的にお聞かせいただきたいと思います。  それから、区民部長のお答えの中に、リサイクルについて住民も一緒にやってもらわなければ困る、まさにそのとおりだと思います。これは一方的な作業ではないことはわかっているんですけれども、例えば、住民はそれぞれにみんな悩んで、どうしたらいいか、リサイクルの問題も協力したけども、やりたい。ところが場所がない、場所がないのは区も同じです。だけども、区だけの独自の話ではなくて、やはりこれは地球規模で考えていかなきゃならないということを考えれば、都や国に、千代田区内の国公有地みたいなところに、わずかな場所があればできるという観点から考えれば、各所に散らばっている都有地、国有地についてそういう働きかけをしてもいいんじゃないかと思うんですけども、実際にどうなるのか、その辺、働きかけをするお気持ちがあるかどうかをお伺いいたします。  それから、先ほどの教育次長のご答弁で、体験学習を学校内で行われている、それは大変結構ですが、この前も焼却場を見学しに行きましたときに、見学者はほとんど小学生だった、見学者の九〇%以上は小学生だと言われたんですね。その辺は学校も、それなりのごみ問題に対する認識があるという意味では、社会見学をそういう焼却場を選んだということなんでしょうけども、その先にもう一つ問題があって、子供たちの体験学習を家庭に持って帰って生かすということがどうしても必要なんです。ぜひともそれは機会を見て、子供ともども父兄に対しても、子供にこういう体験学習をさせている、その理念は何か、そういうところの働きかけ、お話しの機会を、とらえてしていただけたらいいと思いますけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。  以上、四点お願い致します。    〔区長木村茂君登壇〕 32: ◯区長木村茂君) 竹田議員の再質問についてお答えを申し上げます。  生涯学習につきましては、先ほど来申し上げましたとおり、有意義な人生を送るため、みずからの意思で生涯にわたって行うのが生涯学習である、こう考えておるところであります。  生涯学習についての区民参加をどう取り入れるかということでございますが、現在進めております新長期総合計画の策定作業の中でも重要な柱として位置づけ、種々検討をいたしております。いずれ体系的に明らかにしていく所存でございます。  お尋ねの区民参加につきましては、今後、設置予定の新長期総合計画審議会の中で十分ご意見をいただくことを予定いたしております。また、組織的な位置づけとして、より近い教育委員会とも十分連携をとりながら、区民の方々との意見交換の方法なども考えてまいりますので、よろしくご了承のほどお願い申し上げます。    〔企画部長瀧見浩之君登壇〕 33: ◯企画部長(瀧見浩之君) 清掃事業に関する竹田議員の再質問にお答え申し上げます。  清掃事業移管に関しまして千代田区にとっての条件整備の具体的なものは何かということかと存じますが、先ほどご答弁の中でも申し上げましたとおり、千代田区の清掃事業の実態、こういったものを十分把握する中でこれに対応しなきゃならないという基本的な位置づけを踏まえて、現時点で考えられる要素といたしましては、一つは施設的な条件があろうかと思います。先ほど申し上げましたとおり、また、竹田議員のご質問にもありましたとおり、清掃車の車庫については、当然、今江東区の八枝清掃事業所に依存していますし、また、処理、処分の場所については、江東清掃工場を中心に江東区の方に運ばれている、それから、埋め立て処分場等についてはやはり江東区の方に運ばれている。こういう問題に対する処理、処分に対する条件整備をどうするか、これは当然ハード的な面の条件かと思います。  それから、大きくもう一つは収集運搬システムの問題もあろうかと思います。これは当区だけではなく二十三区全体の問題にもかかわることかと思いますけれども、特に、最終処分場に対する連絡調整問題、そういうものもあろうかと思いますし、また、当区から見れば、先ほど言いましたような地域の実態、特性に応じたきめ細かな収集運搬システムをどうしていくのか、こういうようなことも十分検討する要素もあろうかと思います。  それから、三つ目の具体的な要素といたしましては、やはりこの事業に携わる関係団体等との調整といいますか。最終的な合意といいますか、そういうところもあろうかというふうに思っております。  いずれにしましても、この清掃事業の移管問題に対する地方制度調査会の答申の具体的な方向性というのは、まだ未定といいますか、明らかになってございません。こういうことについては区長会の下部組織としての移管問題検討会、それから、都と区の移管問題協議会、こういう中で一つ一つ明らかになっていくと思いますが、その辺の実態等十分把握する中で、当区としての実情に沿うような方向については十分考えていきたいと、このように考えております。    〔区民部長加藤忠君登壇〕 34: ◯区民部長(加藤忠君) 再質問で、特にリサイクル事業を行う場合に土地といいますか、場所の問題についてご指摘ございましたんですが、場所の問題というのは、集めました有価物を、種分けといいますか、整理をする場所と、その前に、第一次集積場というのは、一般的には路上で回収日に集めるんでございますけど、これが月一回というようなことがございまして、量がふえまして、また、一方、家庭においては手狭、企業においてもそういう保管の場所がない。月一回の収集まで保管をしておく場所がないということから、どこか地域でまとめて収集日まで保管をする場所を何とかしてくれないかというような要望が既に数件私どもも伺っております。希望地としますと、区有地が二ヵ所、それから、都有地一ヵ所ということで今進めておりますけれど、一ヵ所は既に実施をいたしております。これは一建跡地でございまして、まだ建設には若干時間があるということで、その囲いの中にプレハブの倉庫を持ち込みまして地域の町会で御利用いただいております。なお、東京都の例えば、ポンプ場の一隅にとか、そういういろいろな要望をいただいておりますので、今後、国、都の国公有地も含めましてお願いをしてまいりたいと思いますけれども、区の内部からやはり意識改革もしなきゃいけないというふうに思っております。東京都においては、そういう作業場あるいはそういう集積場所を来年度から予算計上して、借り上げも予算計上しようというようなことになっているように伺っておりますけども、当地の実情からいいましても、都の予算計上程度の補助金といいますか、経費で借り上げがなかなか困難である、やはり今までの努力の延長線上で意識改革も含めまして国公有地あるいはそういう有効利用できる用地を探しまして、この事業が円滑に進める一つの条件整備というふうに考えて、今後努力してまいりたいとおもいますので、ご了承願いたいと思います。    〔教育委員会事務局次長大杉宏光君登壇〕 35: ◯教育委員会事務局次長(大杉宏光君) 竹田議員の再度のご質問にお答えいたします。  ごみ焼却場等の見学、あるいはそのほか、学校でのさまざまな体験学習の成果を家庭に生かし、あるいは保護者に対する周知に云々ということでございましたが、この件につきましては、それぞれ子供たちは学校で出来事あるいは見学会等の体験を親との日常のコミュニケーションの中で、恐らく親御さんとの話し合いが、あるいは意見交換ができているだろうと私どもは考えるわけでございます。しかしながら、それ以外に各学校におきまして、「学校だより」あるいは各学級によりましては「学級だより」等を発行していることも大変多うございますのでそういうような機会をとらえても体験学習の成果を生かし、保護者とのコミュニケーションが図れるという方法もあろうかと思います。そのような形でもって子供たちの教育の成果を生かしていきたいと、このように考えております。 36: ◯議長水野正雄君) 議事の都合により暫時休憩いたします。    午後四時五十九分休憩    午後五時二十三分開議 37: ◯議長水野正雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続けます。  ◯二十五番木村正明君。    〔木村正明君登壇〕 38: ◯二十五番(木村正明君) 一九九一年第一回定例会に当たり、日本共産党区議団の一員として、老人福祉問題に絞って一般質問を行います。  まず最初に、老人保険制度の改悪についてであります。  政府自民党は、一月二十九日の老人保険審議会の答申を受けて、今国会に法案を提出し、その成立をねらっております。革新都政を初め全国の自治体に広がった老人医療費無料制度実施の動きに押されて、一九七三年国がようやく実施に踏み切った無料制度も、わずか十年で廃止されました。一九八二年の老人保険法の制定で、老人医療費への一部自己負担が導入されたのであります。八七年には、医療費がさらに大幅に引き上げられ、そしてまたもや今回の一部負担引き上げであります。  今回の政府案では、患者負担を現行の外来一ヵ月八百円を千円に、入院一日四百円を八百円へと大幅に引き上げるというものであります。さらに、患者負担を医療費の伸びに応じて国会の審議なしに自動的に引き上げるスライド制まで導入しようとしています。この改悪について、政府は、入院時の自己負担一日八百円、つまり月二万四千円は、特養ホームの一ヵ月平均三万円、老人保健施設の一ヵ月五万円と比べて高くないと言っています。しかし、この議論は全く現実を見ないものであります。  最近お年寄りが入院された麹町のある御婦人の方は、入院費が毎月二十万円かかると言っています。お世話料、おむつ代、差額ベッド代などの保険外負担が大きくのしかかっているのであります。老齢年金と老人福祉手当も加えて今は何とかしのいでいるが、この後どうなるかわからないとしみじみと語っておられました。老人保健法の改悪による医療費の一部負担の大幅な引き上げは、高齢者と家族の負担を耐えがたいものにし、まさに金の切れ目が命の切れ目という深刻な事態をも引き起こしかねないのであります。  豊かな国日本を築き上げてきたのは、戦前、戦中、戦後、額に汗して働いてきたお年寄りであります。そのお年寄りに悲しい思いをさせる政治であってはならないわけであります。湾岸戦争でのアメリカに対する戦費九十億ドルは老人医療費の無料化が六年間も実施できる額であります。アメリカの要求する戦費にはどんなに多額でもすぐ応じるが、お年寄りの声には背を向ける自民党政府の態度は、あの十五年戦争で苦しまれたお年寄りを二重三重に冒涜するものだと言わなければなりません。老人保健法の改悪には、断固反対すべきだと思いますが、区長はどのようにお考えでしょうか。  現実に、高い医療費の負担で苦しんでいる高齢者に区は援助の手を差し伸べるべきであります。老人入院見舞金制度の創設を改めて要求するものであります。加えて、区がこの制度を実施した場合にどのくらいの費用がかかるのかもあわせて答弁を求めます。  次に、在宅福祉について質問をいたします。  在宅福祉に対する区民の要求は本当に切実であります。高齢者の方が家庭で安心して暮らしたいという願いは当然であります。一方、介護されている家族の方には大変なご苦労があります。区が行った世論調査では、多くの介護者の方が、疲労感や自由時間がない、睡眠不足や不安感を訴えているのであります。自殺や心中まで考えたことがあると答えた方もいらっしゃいました。行政の責任は重大であります。高齢者やその家族の願いにこたえる真の在宅福祉を実現するためにも、在宅福祉の理念を明確にすることは大前提であります。住みなれた地域、家庭の中で安心して暮らしていきたいという高齢者の願いにこたえていくこと、人間の尊厳を守る立場で最大限にその保障を行うことこそ在宅福祉の理念があるのではないでしょうか。ぜひ見解をお聞かせいただきたいと思います。  その上で、私は在宅福祉の確立のために、幾つかの問題と課題について質問をいたします。  第一は、ホームヘルパーについてであります。この分野が在宅福祉の中核の役割を果すことは言うまでもありません。しかし、このヘルパーの本来の役割から見て、現実は極めて不十分であります。お年寄りの自立と介護者の想像を絶するご苦労を思うとき、このヘルパーの充実はまさに緊急課題であります。現行のヘルパー派遣の規定、週六日、十八時間を上限という規定で、本当に高齢者の需要にこたえきれるのか、障害を持つ高齢者が在宅で生活して行けるだけの援助という役割を本当に果していけるんでしょうか。寝たきり老人がいないというデンマークでは、寝たきりにさせるのは介護する側の敗北であるという明快な介護理念が根づいていると言われています。ホームヘルパのサービスは年齢や収入、家族構成に関係なく、必要とする人はだれでも受けられる、利用料も完全無料であります。  こうした国際水準や区民の置かれた実態に照らしてホームヘルパーの派遣内容を大幅に改善する必要があると思いますが、いかがでしょうか。さらに、そのためにもマンパワーの確保が不可欠であります。ホームヘルパーの質、量の両面でその充実のために今後どのような計画をお持ちであるのか、ぜひお示しいただきたいと思います。  先日、八十二歳のお年寄りを介護されている六十歳の男性にお会いいたしました。この方は福祉サービスの一つに紙おむつがあることさえご存じありませんでした。在宅福祉サービスを必要とするすべての方に供給するために行政にはあらゆる手だてを尽くす責任があります。特に、PR面の強化についてぜひ見解をお聞かせください。  次は、在宅福祉の前提となる関連施策を総合的に拡充することの重要性についてであります。この点で、住宅対策や医療、年金など社会保障の充実が必要です。同時に、一人一人のお年寄りを総合的な視点に立ってその自立を援助できる仕組みも求められています。中でも、縦割り行政を排して、保健所、医療機関、福祉事務所などの連携を密にした取組を進めることが不可欠であります。総合的な視点に立った在宅福祉を進める上で、これまでどのような体制で取り組み、今後、どう発展させていく計画か、お聞かせいただきたいと思います。  次に、高齢者と家族などの暮らし全体の視点に立って、各種の在宅福祉の対象者を抜本的に拡充することについて質問をいたします。例えば、現在の巡回療浴サービスや理髪サービスを受けられる対象者は老人福祉手当てを受けている人、つまり三ヵ月以上寝たきりの状態にある人となっています。寝かせたままにしておくと筋肉や骨が細り、関節が堅くなって本当寝たきりになってしまうのであります。寝たきり高齢者の存在が問題なのではなくて、高齢者を寝たきりにしておいたことが問題であることが指摘されるようになった今日、寝たきり三ヵ月をサービス受給の条件とすることは決してふさわしいものではありません。ましてや不自由なお年寄りを抱えるご家庭にとって、そのお年寄りを寝たきりにさせないためのきめ細かな援助をこそ区に求めているのであります。一生人間らしく生活できるよう自立援助を行うという福祉の理念に照らして、福祉サービスの対象を抜本的に拡充すべきだと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。  昨年三月に報告された千代田区における在宅福祉のあり方についての第四章で、「在宅福祉の効果的展開に向けて」の中で、「区民参加による新たな供給体制の創設」がうたわれております。そこでは、これからの社会では、区民一人一人が地域における高齢者や障害者の状態に気を配り、必要な場合には、その人にできる範囲で積極的に協力して援助の手を差し伸べることが求められてきていると述べています。私もそのとおりだと思います。しかし、この根底には、一人一人の人間を大切にするというしっかりした社会的理念が築かれていなければなりません。  先月、岩波ホールで「安心して老いるために」という映画を見ました。そこでは、左手しか自由が利かない青年がリモコン操作で車を運転していく姿が写し出されたわけであります。自治体が自動車の改造費用として一千万円の拠出をしてくれたとのことであります。福祉先進国の例を引くまでもなく、国内でも横浜市交通局は車いすの利用者が単独でも外出できるようリフト付バスの導入に踏み切りました。一人一人の人間を大切にするこうした具体的な姿で事実を積み上げ、それを多くの人が見たり聞いたり、触れたり、利用したりすることによって初めて福祉に対する社会的な意識も向上し、区民参加による新たな供給体制が実現できるようになるのではないでしょうか。この点での行政の果す役割は極めて大きいものがあると思います。  先日、車いすを利用している方から、四番町区民集会室にある障害者用トイレが使えないと連絡がありました。行って驚いたことに、そこは段ボールが積まれており、事実上物置になっていたのであります。これでは、ノーマライゼーションの理念の定着化は不可能であります。私は区民一人一人が住みなれた地域や家庭で安心して暮らしていけるよう区が確固とした福祉理念に立って、総合的に、しかもきめ細かなサービスを提供できるよう一層の努力を尽くされることを心から求めるものであります。  区長並びに関係理事者の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 39: ◯区長木村茂君) 木村議員の老人保健法の改正、老人入院見舞金のご質問についてお答えを申し上げます。  今国会に提案されております老人保健法の改正案につきましては、来るべき高齢社会に対して、介護体制の充実を図るため、老人訪問看護制度の創設を行うとともに、介護に着目した公費の負担割合を三割から五割に引き上げる一方、老人医療費についても一部負担金の見直しを行い、老人保健制度の長期的安定を図ることがその趣旨であると理解をいたしております。  ご指摘の老人医療費の一部負担につきましては、今後、ますます増大が見込まれます老人医療費について、世代間の適切な負担、すなわち、若年層とお年寄りの負担のバランス、施設やホームにおける方々との負担のバランス、さらに前回改正してから四年を経過しておることを勘案したものとされております。高齢者にとって必要な受診を抑制しない程度で自己負担額を引き上げるものであり、老人保健審議会及び社会保障制度審議会の答申を受けて行われたものでございます。  この問題につきましては、新たな老人訪問看護制度の創設も含めて、広く国民的合意形成が重要であると認識いたしておりますので、今後の衆参両院を通じての国会の審議経過等をよく見守ってまいりたいと存じます。  また、老人入院見舞金制度につきましては、法の趣旨、理念からいたしまして、実質的に法の一部負担金を肩代わりするような制度としては極めて困難でございますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。  なお、詳細及び他の事項につきましては、理事者をもって答弁いたさせます。    〔福祉部長八田和之君登壇〕 40: ◯福祉部長(八田和之君) 木村議員のご質問のうち入院見舞金制度に関する費用及び在宅福祉についてお答え申し上げます。  まず、入院見舞金に要する費用でございますが、仮に一日当たり一部負担金を今回の老人保健法改正で予定をされております八百円と、こういうことで推計いたしますと、全くの概算でございますけれども、おおむね年間三千七百万程度の額になります。  次に、在宅福祉についてでございますが、高齢社会の進展が著しい本区におきましては、高齢者が安心して生き生きと日常を過ごせるよう、一番町総合公共施設を施設福祉の中心的施設として位置づけるとともに、各種在宅福祉サービスの充実に積極的に取り組んでいるところでございます。さらに、二十一世紀に向けて、高齢者が地域社会の一員として、健やかに生き生きと暮らせるよう人間性の尊厳を守り、地域に生活する人々の視点やノーマライゼーションの理念に立って、必要なときに、身近なところで必要なサービスを受けられるという考え方のもとに在宅福祉の推進を図ってまいる所存でございます。その在宅福祉の充実を図るためには、中核となるホームヘルプサービスが重要であることはご指摘のとおりでございます。来年度におきましてホームヘルパーの研修の充実、家政婦協会から派遣される家事援助者の総合健康診断に対する助成等を予定し、その定着を図るとともに、量、質の拡充に向けて努力をしているところでございます。  さらに、抜本的なマンパワーの確保とサービスの内容拡充につきましては、より広域的、長期的な対応が求められるところから、東京都における「ホームヘルパー等訪問サービス、並びに福祉マンパワー対策の研究」が今行われておりますので、これらの動向あるいは成果等も踏まえまして東京都との役割分担と協力を図る中で前向きに検討してまいる所存でございます。  次に、在宅福祉サービスを必要とする人々に対するPRの充実につきましては、サービスの推進を図る上から、より身近なサービスを目指し、広報紙のみならず、各種在宅サービスの実施の段階において可能な限り個別情報を積極的に提供しているところでございます。さらに、きめ細かさ、わかりやすさといった視点に立って、来年度におきましてはサービスを体系的、総合的に解説した「高齢者のしおり」を作成し、戸別配布し、その充実に努めてまいる予定でございます。  次に、在宅福祉を進めるに当たっての総合的なサービス展開につきましては、医療、保健、福祉の有機的連携を図るとともに、受け手である高齢者の生活状況を常に把握することは欠くことのできない視点でございます。これまでの日常のサービス実施での事務的連携に加えて、その調整の場として、在宅福祉連絡調整会議を十分活用する中で、その実現に努めてまいる所存でございます。  また、在宅福祉サービスの対象範囲の拡大につきましては、寝たきりの高齢者や障害者に対する調査を初めとする各種調査等を定期的に行い、高齢者等の状況、要望を的確に把握し、サービスの見直しを実施しているところでございます。  さらに、今後、国、東京都の動向にも留意しながら、各種在宅福祉サービスの体系的な整備を図る中で、必要な人に必要なサービスをといった視点に立って、財政状況あるいは公私の役割分担等を勘案しながら検討してまいりたいと存じておりますので、よろしくご了承願いたいと存じます。 41: ◯二十五番(木村正明君) 自席から再質問をさせていただきます。  入院見舞金制度についてなんですが、第一に答弁を伺って感じたのは、今、高齢者を取り巻く状況が本当に厳しくなっている、そういう現状を認識いただいているのかということなんです。私が先ほど質問でも述べましたように、保険外負担の膨大な金額といいますか、これが医療費となって高齢者やその高齢者の家族の方たちを本当に苦しめている、そういう実情があります。  年寄りが入院されているあるご婦人の方も言われてましたけれども、とにかく毎月膨大な医療費がかかってくる。そうなると、自分では必死に打ち消しても、ふと頭の中で、早く死んでくれたらというのが思い浮かんできちゃうというわけですね、これほど深刻なんです。私はそのように高齢者やその高齢者を支える家族の方を苦しめる政治は絶対許されぬと思うわけですね。ですから、区の実施した世論調査でも、二人の方が心中や自殺を考えたと、実際回答されているわけですから、その辺の現実をしっかりと見ていただかなければならないと思うんですね。  それから、もう一つは、こういう状況の中で、見舞金制度を実施する意義といいますか、この点でもしっかりつかんでいただきたいと思うんです。福祉部長の答弁の中でもありましたように、やはり総合的な福祉政策を実施していく、そのためにもいわゆる医療、それから、保健とか福祉と一体のものとして進めていく必要があるんだというふうに言われていますね。私思うんですけど、医療が基本にあって本当に福祉というものが生きてくると思うんです。今その医療制度がどんどん改悪されていく中で、その改悪されている側面に区が援助をするというのは、結局、医療と一体となった福祉全体を進めていくという区の目指すべき福祉の方向、これとも合致するんじゃないかと思うんですね。しかも、この見舞金制度を実施したとしても、概算では年間三千七百万でしょう。何千万という基金から見ればわずかな金額だと思うんですよ。ですから、区民の切実な要求もあるし、しかも、区が目指す全体の福祉政策の方向とも合致しているし、財源もある。そうなったら、結局、あと問われるのは区長の、いわゆる政治姿勢といいますか、お年寄りに対してどういう姿勢で臨むのかという点が結局問われてくるんじゃないかと思うんです。ですから、そういった点を踏まえて、もう一度区長から御答弁をいただきたいと思います。    〔区長木村茂君登壇〕 42: ◯区長木村茂君) 木村議員の再質問の一部負担金を肩代わりするような入院見舞金の導入につきましては、財政的な面ではなく、世代間における負担の公平といった法の趣旨に反すること。また、制度そのものが国からの機関委任事務であることを考慮すると、本質的に極めて困難でございます。また、法においては、一定の範囲内で一部負担金の減免措置などが配慮されております。さらにまた、単に、医療あるいは入院といった面だけではなく、福祉や在宅といった総合的な視点に立って、老人福祉手当を含め、できる限り高齢者に対するサービスの充実に努めてまいっておりますので、その間の事情をご理解いただきたいと、こう思います。 43: ◯議長水野正雄君) 次に、二十七番福山和夫君。    〔福山和夫君登壇〕 44: ◯二十七番(福山和夫君) 一九九一年第一回定例会に当たり、一般質問をさせていただきます。  まず初めに、白内障の人工水晶体手術へ保険適用をもとめ、適用前にも、区独自の助成をされるよう質問するものであります。  白内障は、目の水晶体が白く濁ってくる病気で、六十歳代で五割、七十歳代では九割の人がかかると言われ、四十歳代で始まる場合もあります。この水晶体の白い濁りは年とともに広がり、やがて水晶体全体が混濁して次第に視力が失われていきます。したがって、最近のように平均寿命が八十歳代に届くようになると、一生のうちにいつかは白内障のために視力障害を起こすのがいわば当たり前になっています。現在、点眼薬、内服薬は余り期待できないようです。混濁してしまった水晶体は、けっきょくのところ手術によって取り除く以外にはありません。水晶体を取り去ると強度の遠視になるので、水晶体に変わってレンズの役割を果し、この遠視を矯正するものを必要とします。眼鏡を使用すると物が大きく見え、周辺部で視野にリング上の暗転を生ずる視野狭窄など不都合が多く、車の運転ができないとか、階段を踏み外すとか、お茶をつぐとき茶碗の外にこぼすとか、遠近の見当が狂うための障害をいろいろ起こします。コンタクトレンズを使用すると、これらの問題は大幅に解決されますが、小さく見にくいレンズを高齢者が目に着脱しなければならないので一人ではできないとか、頻繁に紛失するとかの問題がおきます。特に、片目のみの手術の場合、強度の不同視に見舞われて両眼同時使用をあきらめざるを得ない場合も多いそうです。  そこで、現在では、水晶体前側の嚢を円形に切り、水晶体の中身を取り除き、後ろの膜、後嚢を残して、この残した袋の中に人工水晶体、いわゆる眼内レンズを移植する手術が普及し、白内障手術の八割を占めるまでになっています。白内障手術は、この水晶体、眼内レンズを挿入するようになっていて大いに発展してきました。手術前後に使う薬もよくなって九九%確実によい術後視力が得られるようになりました。  ところが、白内障人工水晶体手術は挿入手技料や材料費に保険適用されません。片目で十万から十五万円が自費負担となります。そのため、比較的高齢者が多い患者のなかに手術をためらう人も少なくありません。貧富の差なく医療を受けるには、保険適用が必要です。そのため、この手術に保険を適用するよう国に向け、意見書を採択する自治体が広がり、ことし二月初めまでで三都道府県、十一特別区、二十六市区町、二村の五十一議会に及んでいます。  そこで、千代田区としても、国に対し保険適用を求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。ご意見を伺います。  また、保険適用されるまで自治体が助成するよう決議も二十議会で採択されています。既に、独自助成を実施している自治体は、一九八四年からの名古屋市を初め六自治体、一九九一年度から助成予定の自治体も目黒区、豊島区の二特別区、十二市あります。千代田区としても白内障水晶体手術に助成すべきだと思いますが、いかがでしょうか。所見を伺います。  次に、ごみ問題と庁舎内ごみ分別の成果について質問いたします。  今やごみ問題はみんなが心を痛める社会問題になっています。全国の家庭や企業から出される一般廃棄物は一九八八年度東京ドーム百三十杯分、四千八百二十八万トンとなり、五年間で一三%、五百六十二万トンもの急増ぶりです。産業廃棄物になると八五年度で既に三億トンを越え、景気過熱でさらに膨れ上がっています。特に、大都市圏の住民と自治体はあふれるごみに悲鳴を上げ、一刻の猶予も許されない事態に追い込まれています。東京二十三区が排出するごみの量は八九年度で四百九十万一千トン、一ヵ月で東京ドームがほぼ満杯になるほどの量です。特に、この五年間、異常とも言える上昇で、八四年度と比較して百十万トンも増加しています。この増加分だけで札幌市の年間ごみ量に匹敵します。ごみ量がなぜ急増したのか、一般的には国民の生活水準、消費水準が向上すればごみが増加します。しかし、今の事態を生み出しているのは特別の原因があります。  一つは、浪費の構造が日本経済のメカニズムに組み込まれていることです。消費生活を便利に、コストを安くという名目で、使い捨て商品、使い捨て容器が横行しています。「混ぜればごみ、分ければ資源」と言われるように、ごみの多くは本来資源として役立てられるものです。地球環境や資源小国日本の将来を考えるならば、住民、消費者の協力と企業責任の明確化による減量、リサイクルこそごみ対策の本道です。  かつての一升瓶のように容器に一定の規格をもうけ、回収、再利用する。プラスチック容器や紙製カメラのような使い捨て商品をできるだけ制限すべきです。これはイタリア(特別課税)、ドイツ(使用中止勧告)、オーストラリア(生産禁止)、デンマーク(使用禁止)など現にやっていることです。ごみを再資源化すれば、生産に必要な電力や石油のエネルギーは、アルミニウムで三%、紙でも三分の一で済みます。  二つには、ごみについての大企業の社会的責任があいまいにされています。処理が困難な製品や有害物質を含む製品を売り出す以上、企業がその回収処分に責任を負うのは当然です。例えば、自動車、タイヤ、家電製品、ピアノなどメーカーに責任を持たせるべきです。ごみの量で見ても、東京二十三区の場合、一九八五年から八八年度の四年間にオフィスビルが出す大量の紙くずを初め企業ごみが八〇%も増加しています。家庭系ごみは一四%しかふえていません。この企業ごみが焼却などの中間処理もされないで最終処分場に持ち込まれているのです。  三つには、国、自治体の責任です。政府はわずかばかりの補助金を出すだけで、ごみ対策の責任の一切を自治体と住民に押しつけています。その上、ごみ対策抜きの開発計画を次々と打ち出してごみ問題を深刻にしています。自治体も清掃事業の民間委託、職員の人減らし、有料化や料金値上げで被害を住民に転嫁しています。これではごみはふえる一方です。国や自治体の責任を明確にしなければなりません。千代田区でもごみの急増はまちの中に影響しています。オフィス化が進み、OA化が進んで紙ごみでごみ集積場があふれるばかりになり、自動車が通れない。台車で遠くから大量に捨てに来て地元の人とトラブルになるなど後を絶ちません。現在、ごみ収集・運搬・処理は都の事業ですが、現場の実情を知って対応できるのは身近な自治体である区です。区は千代田区のごみ事情をどのように見ているのか。また、収集回数をふやしてほしいなど、要求をどう受けとめられておられるのか、調査などされる意思があるかお聞かせ下さい。  ごみの分別・リサイクル・減量についても、区はまず隗より始めよで、昨年八月より庁舎内のごみの分別をしています。他区ではこれによりごみが大幅に減り、処分費も節約になったなどの成果も聞いています。七ヵ月を経て千代田区での成果はいかがでしょうか、お知らせ下さい。  次に、固定資産税など土地税制について、自民党「土地税制大綱」が明らかになった現時点で、区長のその評価と対応について伺います。  千代田区議会は前回の定例会で、区民の負担を重くし、人口減少に拍車をかける住民追い出し税となっている土地税から住民を守る立場で、十二月四日、固定資産税の評価替え中止を求める意見書と新土地保有税(案)に反対する意見書を採択しました。その直後十二月六日まとめられた自民党の「土地税制大綱」は、大都市圏の地価引き下げといううたい文句とは裏腹に、地価つり上げの元凶である財界・大企業には甘く、庶民にとっては重いものになっています。商店の新土地保有税では、財界の圧力で国民の強い要求である大企業の保有地への課税強化という性格を大幅に薄めました。一平方メートルにつき三万円という控除を認めた上、相続税評価額をもとにして税率〇・三%、一九九一年一月の導入時は〇・二%とし、しかも、損金参入を認めることで、実質負担率をさらにその半分にしています。その上、法人税減税まで抱き合わせにするという何重もの骨抜きが行われています。これでは、大企業にはほとんど痛手にならず、地価引き下げも、買い占めた土地のはきだしも期待できません。例えば、七千四百万平方メートルの土地を所有している新日鉄は、一平方メートル当たり四十一円の税しかかからないことになります。  一方、庶民にとって課税最低限を十五億円にしたとはいえ、大都市圏の多くの中小企業用地や雑木林、五年後には農地までも課税されることになります。千代田区の業者にとっても新たな負担になります。  大綱は、固定資産税についても評価がえ強行の方針を明らかにしています。一定の手直しを盛り込んでいますが、大きな負担増になることは間違いありません。その上、次の一九九四年の評価がえでは、ほぼ取引実例価格に近づいている公示地価の現在三〇%と言われる評価基準を、七〇%から八〇%と、一挙に倍以上に引き上げようとしています。地価暴騰に責任のない庶民に大増税を押しつけるのは、犯罪の被害者から罰金を取り立てるようなもので、断じて承服できません。地代、家賃の値上げなどにもはね返り、都心から住民を追い立てる結果になります。  相続税も現在、評価額が公示地価の六〇%前後ですが、これを八〇%まで引き上げます。課税最低限も引き上げて相続税の負担増を調整するとしていますが、大幅増税間違いなしです。千代田区でこれから三代続く店はなくなる、相続税を考えると、息子に継げとも言えない、こういう悲鳴が既に上がっています。千代田区の人口問題の致命傷になります。
     区長は、昨日の招集あいさつの中で、「今後の区政運営のすべてを人口回復という一点に集中させる、来年度は人口回復へ新たに挑戦する年である」と述べられました。  そこで、自民党の土地税制大綱に沿って、政府が土地税の大増税を強行しようとしている今日、区長はこの大綱をどう評価されているのか、人口回復に挑戦する立場から、どのように対応されてきたのか、また、どのように対応されるのか、今までのように区長会を通じ、最重要点課題として要望している程度では済まされません。その決意のほどを伺い、私の質問を終わります。(拍手)    〔区長木村茂君登壇〕 45: ◯区長木村茂君) 福山議員の土地税制改革大綱に関する質問にお答えを申し上げます。  この大綱の基本的考え方は、地価抑制に向けて土地基本法の基本理念に従って、税制面のみならず土地利用計画その他の総合的施策を推進することによって、土地神話を打破することを最重要の政策目的とするものでございます。  この大綱を受けて、政府は、今国会に、地価税法案、地方税法等改正法案その他関連法案を提出致しております。法案では、平成三年度の固定資産評価がえに伴う税負担の増加を緩和する趣旨から、従来以上にきめ細かな負担調整を行うこととされ、特に、住宅用地については、よりなだらかな負担調整となるよう配慮されております。  また、固定資産税の土地評価がえに伴う増収分に相当する大規模な住民税の減税も盛り込まれており、固定資産税の免税点の引き上げなどとともに、極力住民の税負担が急増しないよう配慮され、一定の工夫がなされた内容となっております。しかしながら、当区の地価高騰等の現状を認識いたしますと、大都市特有の税制度の特例措置が必要であることを痛感いたしております。  したがいまして、今後とも、都及び区長会等との連携を密にしながら対処してまいる所存でございます。  なお、他の事項につきましては、関係理事者をもって答弁をいたさせます。    〔総務部長小藪俊雄君登壇〕 46: ◯総務部長(小藪俊雄君) 福山議員のご質問のうち、本庁舎におけるごみの分別収集の実績の成果についてお答え申し上げます。  ごみの問題につきましては、急激なOA機器の普及で紙類を中心としたごみが急増したことや、順調な経済の伸びを反映した多種多様なごみが増加していることなどにより、大きな社会問題であり、かつ、大都市圏における都市問題でありますことはご案内のとおりでございます。  そこで、本区では、昨年二月に自治体の責務の一つとして資源の節約と資源の再利用に積極的に取り組む必要があるとして、庁舎のごみの減量と再生紙利用の実施方針を定めたところであり、これを受けて、昨年八月より庁舎内のごみの分別収集を実施しているところでございます。  以来、今日まで七ヵ月経過しておりますが、昨年八月から十二月までの五ヵ月間の期間と一昨年の同期間を比較してみますと、可燃物で約七%、千二百キログラム、不燃物では約六・五%、三百二十キログラム、それぞれ減となっております。また、同期間における直接処分費につきましては、約六・七%の減でございます。これらはコピー紙など再利用可能な紙類の破砕機による再利用化と、瓶、缶類の販売業者の引き取り化という成果でもございます。  今後は、これらの成果を踏まえ、なお、一層の成果を上げるよう職員の意識高揚を図り、努力してまいりますので、ご了承のほどお願い申し上げます。    〔区民部長加藤忠君登壇〕 47: ◯区民部長(加藤忠君) 福山議員のご質問のうち、ごみ問題についてお答え申し上げます。  ご指摘のとおり、ごみの処理の問題につきましては、全国の大都市で重要な課題になっております。特に、東京二十三区におきましては、ごみの急増により埋め立て処分場の確保など深刻な事態を迎えております。こうした状況に対して、都では、昨年十一月に出された清掃審議会最終答申に基づき、リサイクル型都市を目指して種々施策を推進しているところであります。ごみの減量は清掃事業の基本であるとの認識のもとに、今後、総力を挙げて減量に取り組んでいくということであります。  東京都におけるごみの総排出量はこのままふえ続けると平成十二年度には年間六百四十四万トンになると予測され、これを現状レベルの年間五百三十万トンで凍結しようというものであります。このためには、平成十二年度には家庭ごみで現状の一二%、事業系ごみについては事業者責任の明確化の立場から一層徹底した減量を求め、三〇%、全体で一七%、排出量にして百十四万トンの削減を目指しております。  区といたしましても、区民の快適な生活環境を保持する観点からも、ごみの減量や資源化の問題は今後とも取り組むべき大きな課題であると認識いたしております。  お尋ねのごみの収集状況につきましては、住民の希望としては、よりきめ細かくということで、収集回数が多い方がよろしいかと存じますが、実情は、普通ごみ、生ごみは盛り場の飲食店街などの例は別として、週三回、分別ごみは週一回、粗大ごみは申告制となっております。本区では、昭和四十九年度から地域の美化清掃、ごみ、緑化対策などの推進のため、環境美化推進制度を設け、地域における日常的活動によりご協力をいただいているところでありますが、毎年一回ブロック別に会議を開き、都清掃事務所にも同席を願っておりますが、ごみの収集についての地域要望の主なるものは雑居ビル等の企業、事務所からのTPOを心得ないごみの出し方等にかかるものが最も多く、次いでごみの収集時間の変更や交通事情等による時間のずれといったものが多く、お尋ねのありました収集の回数にかかわるものとしては、分別ごみが週一回の収集ということで、当日が祝日に当たったり、出し忘れなどのため翌週に持ち越すと一週間分たまってしまうので、せめて週二回にふやしてもらえないかといった要望が出されております。  ごみの収集の回数の増については、ごみ排出の絶対量が激増傾向にあります現状においては至難なことと考えられますが、住民の意向調査等につきましては、ご質問の趣旨を清掃当局に十分お伝えいたしたいと存じますので、ご了承願います。  本区といたしましては、区民や企業に対して一層ごみ問題について協力を呼びかけていくとともに、国、都とも十分連携し、有価物集団回収事業の拡充や、また、新たにリサイクル情報の登録提供事業などリサイクル関連施策に積極的に取り組んでまいる所存でありますので、ご了承賜りたくお願い申し上げます。    〔福祉部長八田和之君登壇〕 48: ◯福祉部長(八田和之君) 福山議員のご質問のうち、白内障の人工水晶体手術への保険適用及び適用前の助成についてお答え申し上げます。  白内障の人工水晶体手術への保険適用につきましては、基本的には日々進歩する先端的な高度医療技術に対する患者のニーズに対して、国民に必要な医療の確保を目的とする医療保険がどこまでこたえていくべきかという医療全体に係る問題であると認識をしております。  白内障の人工水晶体手術については、人工水晶体を長期間装着した場合の影響について、未知の部分も若干残されているということも言われており、また人工水晶体にかわる眼鏡やコンタクトレンズについても保険適用されていない現状があるため、保険適用については国において現在慎重に検討されているように聞いております。  しかしながら、白内障は老人の多数がかかる病気でもあり、また、人工水晶体手術が白内障に対する最も効果的な治療法とも言われておりますので、区におきましても、都を通じて国に保険適用を前向きに検討するよう要望してまいりたいと存じます。  また、保険適用されるまでの区の助成につきましては、当区における患者の実態やニーズ、財政負担の検討や、また他の疾病との関係、あるいは他の自治体の実施状況など総合的に勘案をしながら研究してまいりたいと存じておりますので、ご了承のほどをお願い申し上げます。 49: ◯二十七番(福山和夫君) 自席から再質問させていただきます。  区長の土地税制大綱の中身で固定資産税、なだらかな負担調整、その他があるというふうにご説明になりましたけれども、現実に、今三年間で調整しているものを五年間に延ばす程度のものであったり、あるいは今の基礎控除額、余りにも低いのでこれを若干手直しする、確かにこういう面はありますが、区長自身が回答されていますように、やはり都心区の特例措置が必要だ、このことは現実問題として、本当にこの程度の緩和措置では、私たちがこの千代田区に住み残れないという現実の前に、全く力のある緩和措置にはなっていない。どうしてもそれについては特例措置なり、あるいは全体として緩和をさせるということが、正直言って今度の見直し案を凍結していただいて、地価が上がる前の状態まで戻していただかねば、我々はもうやっていけないというところに来ていると思うんです。この認識がもしきちっとある、区長ご自身が特例措置が必要だと認められているんですが、これを区長会を通じてまた要望されるということのようですけれども、要望されると、本当にそれが実現できるという確信をお持ちなのかどうか、この点をぜひ最後に伺って終わりたいと思います。    〔区長木村茂君登壇〕 50: ◯区長木村茂君) 福山議員の税制問題についての再度のご質問に対しましてお答えを申し上げます。  自民党税制大綱と、これを受けた地方税法改正案につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございます。私は税制は区民生活への影響と、本区の人口対策、まちづくりを推進するに当たって重要な問題であると認識いたしておりますので、今後とも大都市特有の税制につきまして、都及び区長会等と連携を密にしながら対処してまいりたいと考えております。  なお、国等に対する働きかけは、区長会として一体となって当たることの方が最も強力かつ効果的であると考えますので、今後も区長会を中心に、特に都心部区長と相語らって積極的に努力してまいる所存でございます。 51: ◯議長水野正雄君) 以上で、一般質問を終わります。  これより日程に入ります。  日程第一を議題に供します。千葉事務局長をして日程第一及び陳情取り下げ願いを朗読いたさせます。  ──────────────────────────────────────  陳情第62-26号 千代田区九段北一丁目九番の放射七号線の都市計画に関する陳情の   取り下げについて    〔千葉事務局長朗読〕  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  資料……陳情第62-26号 52: ◯議長水野正雄君) お諮りいたします。本件につきまして承認することにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 53: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認めます。よって、本件は承認することに決定いたしました。  日程第二ないし日程第十一を一括議題に供します。千葉事務局長をして朗読いたさせます。  ──────────────────────────────────────  議案第六号 東京都千代田区新長期総合計画審議会条例  議案第七号 東京都千代田区議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の   一部を改正する条例  議案第八号 東京都千代田区の行政委員会委員並びに非常勤監査委員の報酬及び費用   弁償に関する条例の一部を改正する条例  議案第九号 東京都千代田区議会等の審理、喚問、聴問等に出頭した者並びに公聴会   に参加した者の実費弁償に関する条例の一部を改正する条例  議案第十号 東京都千代田区長、助役、収入役の給与及び旅費条例の一部を改正する   条例  議案第十一号 東京都千代田区教育委員会教育長の給与及び旅費並びに勤務に関する   条例の一部を改正する条例  議案第十二号 東京都千代田区住宅整備基金条例  議案第十三号 東京都千代田区特別区税条例の一部を改正する条例  議案第十四号 東京都千代田区営住宅条例等の一部を改正する条例  議案第二十一号 公有財産の譲与について    〔千葉事務局長朗読〕  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  資料……議案第6号、7号、8号、9号、10号、11号、12号、13号、14号、21号 54: ◯議長水野正雄君) 執行機関より提案理由の説明を求めます。    〔助役川又元彦君登壇〕 55: ◯助役(川又元彦君) 議案第六号から議案第十四号まで、及び議案第二十一号の十議案について一括してご説明を申し上げます。  初めに、議案第六号、東京都千代田区新長期総合計画審議会条例について御説明を申し上げます。  昭和五十三年に策定した現基本構想は、目標年次を昭和六十年代半ばと位置づけられ、さらに、改定基本計画における計画期間が平成四年度をもって終了することとなっております。  そこで、現下の区政を取り巻く厳しい状況を念頭に置き、来るべき二十一世紀を見据えた新たな視点に立った新長期総合計画を策定する必要があり、特に、行政計画の基本となる基本構想について新たに策定する必要があります。  この新基本構想を策定するに当たって、区民を初め広く各界の方々にご審議をいただき、そのご意見を反映した基本構想とするため、新長期総合計画審議会を設置するものであり、地方自治法第百三十八条の四第三項の規定に基づき条例で定める必要がありますので、ご提案するものであります。  なお、この条例は、千代田区規則で定める日から施行するものであります。  次に、議案第七号から議案第十一号までの五議案についてご説明を申し上げます。  これらの議案はいずれも社会経済事情の変化に伴い、また、区の一般職の職員の給料等、他との均衡を図るため、区議会議員の報酬の額等を改定する必要がありますので、ご提案するものであります。  まず、議案第七号、東京都千代田区議会議員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例でございますが、本案は、千代田区特別職報酬等審議会の答申を踏まえ、区議会議員の報酬の額を本年一月一日にさかのぼって引き上げるとともに、期末手当の加算率を平成二年六月分にさかのぼって百分の二十二を百分の四十二に引き上げ、さらに、本年六月分からは、加算率を百分の四十五に引き上げるものであります。また、費用弁償の日額旅費の額を本年四月一日から引き上げるための改正を行うものであります。  次に、議案第八号、東京都千代田区の行政委員会委員並びに非常勤の監査委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例でございますが、本年一月一日にさかのぼって教育委員会、選挙管理委員会の委員長及び各委員並びに監査委員の報酬の額を引き上げるとともに、費用弁償の日額旅費の額を本年四月一日から引き上げるための改正を行うものであります。  次に、議案第九号、東京都千代田区議会の審理、喚問、聴問等に出頭したもの並びに公聴会に参加したものの実費弁償に関する条例の一部を改正する条例でございますが、地方自治法等の規定に基づき、議会の審理、喚問、聴問等に出頭した者等で、特別区の存する区域内から出頭、参加した者にかかる費用弁償の額を、本年四月一日から四千円を五千円に引き上げる等の改正を行うものであります。  次に、議案第十号、東京都千代田区長、助役、収入役の給与及び旅費条例の一部を改正する条例でございますが、千代田区特別職報酬等審議会の答申を踏まえ、区長、助役、収入役の給料の額を本年一月一日にさかのぼって引き上げるとともに、期末手当については、新たに加算制度を設け、平成二年六月分にさかのぼって給料等の月額に百分の二十を乗じて得た額を加算すること、さらに支給率の変更等に伴い、本年六月分からは現行の期末手当の加算率を百分の二十二から百分の二十五に引き上げるための改正を行うものであります。  次に、議案第十一号、東京都千代田区教育委員会教育長の給与及び旅費並びに勤務に関する条例の一部を改正する条例でございますが、議案第十号によりご説明しました区長、助役、収入役の給料の額の改定及び期末手当の加算制度の新設並びに現行の期末手当の加算率の引き上げのための改正の趣旨を踏まえ、教育長の給料等についても同様の引き上げを実施するため改正を行うものであります。  次に、議案第十二号、東京都千代田区住宅整備基金条例についてご説明を申し上げます。  本案は、当区の最重要課題であります定住人口対策の一環として、総合的な住宅施策を計画的に、また、積極的に推進するため、地方自治法第二百四十一条第一項の規定に基づき、新たに千代田区住宅整備基金の設置について条例を制定する必要がありますので、ご提案するものであります。  この基金につきまして千代田区の区民住宅の建設、区立住宅の整備、民間住宅の確保助成等に要する資金を計画的に積み立て、先行的に財源準備を行うことにより、長期にわたって安定的に住宅対策事業を推進し、人口の定住化に寄与することを目的とするものであります。  なお、本案は公布の日から施行するものであります。  次に、議案第十三号、東京都千代田区特別区税条例の一部を改正する条例についてご説明を申し上げます。  本案は、地方税法施行規則の一部改正に伴い、三輪の屋根付原動機付自転車で一定の規格のものについては、軽自動車税の税率適用区分が改められ、従来、年額二千五百円であったものが年額千円となるよう改正するものであります。  なお、本案は、公布の日から施行し、平成三年度以降の軽自動車税について適用されるものであります。  次に、議案第十四号、東京都千代田区営住宅条例等の一部を改正する条例についてご説明を申し上げます。  本案は、公営住宅法施行令の改正により、公営住宅の入居者の収入基準が本年四月一日から引き上げることに伴い、本区区営住宅の入居者の収入基準を引き上げる必要があること、さらに、さきに都から移管を受けた四番町アパート及び神保町住宅については、経過規定により移管の時点で現に使用していた者の使用基準を当分の間都営住宅の例によることと定めていましたが、区営住宅全体の入居者の使用条件について整合性を図る必要があるため、介護を要する老人のいる世帯に対する特別減額制度を設けること、また、付加使用料にかかわる収入区分を細分化すること等の規定の改正を行うものであります。  なお、本案は、平成三年四月一日から施行するものであります。  次に、議案第二十一号、公有財産の譲与についてご説明を申し上げます。  本案は、今川小学校の用地のうち、現在、都から土地無償貸与契約を受けて使用している部分について、今般都の公有財産の整理に伴い条件つき無償譲与されることとなりましたので、地方自治法第九十六条第一項第九号の規定に基づき、議会の議決を得る必要がありますので、ご提案するものであります。  譲与を受ける土地の所在地及び名称は、千代田区岩本町二丁目七十九番に所在する今川小学校用地で、地積は二百六十六・八四平方メートルでございます。  また、東京都から付せられた主な譲与の条件は、当該土地を譲与契約締結の日から二十年間を学校用地として使用すること。また、用途指定の変更もしくは廃止する場合は、あらかじめ東京都の承認を受けること。区が以上の義務を履行しないときは即時に契約を解除される等の条件であります。  以上、ご説明申し上げましたが、ご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願い申し上げます。 56: ◯議長水野正雄君) ただいまの議案中、議案第十一号につきましては、地方公務員法第五条第二項の規定により、あらかじめ人事委員会の意見を聴取しておきました。千葉事務局長をして朗読いたさせます。  ──────────────────────────────────────    〔千葉事務局長朗読〕
     ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  資料……議案第11号 57: ◯四番(城井健介君) ただいまの議案は、いずれも企画総務委員会に審査を付託されんことを望みます。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 58: ◯議長水野正雄君) 城井健介君の動議にご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 59: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。  日程十二ないし日程十七を一括議題に供します。千葉事務局長をして朗読いたさせます。  ──────────────────────────────────────  議案第十五号 東京都千代田区地域福祉活動支援基金条例  議案第十六号 東京都千代田区老人福祉手当条例の一部を改正する条例  議案第十七号 東京都千代田区立高齢者センター条例の一部を改正する条例  議案第十八号 東京都千代田区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例  議案第十九号 東京都千代田区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例  議案第二十号 東京都千代田区児童育成手当条例の一部を改正する条例    〔千葉事務局長朗読〕  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  資料……議案第15号、16号、17号、18号、19号、20号 60: ◯議長水野正雄君) 執行機関より提案理由の説明を求めます。    (助役川又元彦君登壇〕 61: ◯助役(川又元彦君) 議案第十五号から議案第二十号まで一括してご説明申し上げます。  初めに、議案第十五号、東京都千代田区地域福祉活動支援基金条例についてご説明を申し上げます。  本案は、区民の福祉増進を念願して区に寄せられた貴重な寄付金を、寄付者の志に沿ってより有効に活用するため、これらの寄付金を基本財源とした新たな基金を設置するものであり、地方自治法第二百四十一条第一項の規定に基づき条例を制定する必要がありますのて、ご提案するものであります。  この基金は、基金を運用することによって得られる収益を、地域に根ざした福祉活動の育成及び推進に活用し、区民福祉の一層の充実を図るものであります。  なお、本案は、公布の日から施行するものであります。  次に、議案第十六号及び議案第十八号から議案第二十号までの議案についてご説明を申し上げます。  この四議案は、いずれも社会経済事情の変化に伴い、また、福祉の一層の推進を図るため、福祉にかかわる各種手当の月額を引き上げるためご提案するものであります。  改正の内容について申し上げますと、初めに、議案第十六号、東京都千代田区老人福祉手当条例の一部を改正する条例でございますが、老人福祉手当の額を本年四月分から、所得が基準以下で七十歳以上の場合は四万三千円を四万五千円に、六十歳以上七十歳未満の場合は三万六千円を三万七千五百円に、また、所得が基準を超える場合は二万四千円を二万五千円に、さらに、重度心身障害者手当を受給している場合は二万四千円を二万五千円にそれぞれ引き上げるものであります。  次に、議案第十八号、東京都千代田区心身障害者福祉手当条例の一部を改正する条例でございますが、心身の障害の程度に応じて定められている手当の月額を本年四月分から一万二千五百円を一万三千円に、七千五百円を八千円に引き上げるものであります。  次に、議案第十九号、東京都千代田区難病患者福祉手当条例の一部を改正する条例でございますが、難病患者福祉手当の月額を本年四月分から一万二千五百円を一万三千円に引き上げるものであります。  次に、議案第二十号、東京都千代田区児童育成手当条例の一部を改正する条例でございますが、児童育成手当の月額を本年四月分から育成手当については一万五百円を一万一千円に、また、障害手当については一万二千五百円を一万三千円に引き上げるものであります。  次に、議案第十七号、東京都千代田区立高齢者センター条例の一部を改正する条例についてご説明を申し上げます。  本案は、老人福祉法が改正され、本年一月一日に施行されたことに伴い、高齢者センターの設置にかかわる根拠規定の改正がありましたので、規定を整備するため改正するものであります。  なお、この条例は、公布の日から施行するものであります。  以上、ご説明申し上げましたが、原案どおりご議決賜りますようお願い申し上げます。 62: ◯四番(城井健介君) ただいまの議案は、いずれも福祉保健委員会に審査を付託されんことを望みます。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 63: ◯議長水野正雄君) 城井健介君の動議にご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 64: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。  日程第十八ないし日程第二十二を一括議題に供します。千葉事務局長をして朗読いたさせます。  ──────────────────────────────────────  議案第一号 平成二年度東京都千代田区一般会計補正予算第三号  議案第二号 平成二年度東京都千代田区国民健康保険事業会計補正予算第一号  議案第三号 平成三年度東京都千代田区一般会計予算  議案第四号 平成三年度東京都千代田区国民健康保険事業会計予算  議案第五号 平成三年度東京都千代田区老人保健特別会計予算    〔千葉事務局長朗読〕  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  資料……議案第1号、2号、3号、4号、5号 65: ◯議長水野正雄君) 執行機関より提案理由の説明を求めます。    〔助役川又元彦君登壇〕 66: ◯助役(川又元彦君) 予算五議案についてご説明を申し上げます。  予算案の主要事業につきましては、区長の開会あいさつの中で述べておりますので、説明を省略させていただきます。  初めに、議案第一号、平成二年度東京都千代田一般会計補正予算第三号につきましてご説明を申し上げます。  まず、歳出といたしまして、議会費で二千八百八十九万八千円、総務費で一億四千三百五十二万五千円、民生費で一億二千二百二十九万一千円、衛生費で四千九百二十万二千円、産業経済費で一千九十二万五千円、土木費で再開発事業助成の減額等九億一千四百九十万五千円、教育費で一億二百五十五万六千円、諸支出金で百十四億二千九百三十九万八千円をそれぞれ追加計上をいたしました。また、教育費では、諸収入の追加に伴い一部財源更正を行いました。  これに対します歳入といたしまして、特別区税で二十三億八千五百四十万四千円、地方譲与税で七億三千万円、利子割交付金で九億円、自動車取得税交付金で八千万円、特別区交付金で四十九億八千万円、国庫支出金で麹町四丁目市街地再開発事業の減額五億一千五百十五万八千円、寄付金で八千四百十五万八千円、財産収入で四億二千九百三十九万八千円、繰越金で十七億一千百五十万五千円、諸収入で一億八千六百五十八万三千円をそれぞれ追加計上をいたしました。  したがいまして、今回の補正額は、歳入歳出とも百九億七千百八十九万円となり、本年度予算の累計額は八百二十三億六千八百三十八万五千円となりました。  次に、地方自治法第二百十三条第一項の規定に基づき、繰越明許費といたしまして、仮称昌平橋会館建設費ほか五件、五億四千五百五十万四千円と定めました。  次に、議案第二号、平成二年度東京都千代田区国民健康保険事業会計補正予算第一号につきまして、ご説明を申し上げます。  まず、歳出といたしまして、総務費で六百八十二万二千円、諸支出金で一千二百八万八千円をそれぞれ追加計上いたしました。  これに対します歳入といたしまして、繰越金で一千八百九十一万円を追加計上いたしました。  したがいまして、今回の補正額は、歳入歳出とも一千八百九十一万円となり、本年度予算の累計額は二十億三千四百四十三万八千円となりました。  次に、議案第三号、平成三年度東京都千代田区一般会計予算について、ご説明を申し上げます。  まず、歳出といたしまして、議会費で五億八千九百九十四万六千円、総務費で七十億二千七百九十一万円、民生費で五十五億二千百六万九千円、衛生費で十七億四千三百八十一万九千円、産業経済費で十七億五千百三十一万七千円、土木費で九十一億四千百八万三千円、教育費で六十八億七千四百五十九万円、公債費で五億八千四百三十八万一千円、諸支出金で三十五億一千五百六十五万三千円、予備費で八千万円をそれぞれ計上いたしました。  これに見合います歳入といたしまして、特別区税で百六十五億二千七百六十五万三千円、地方譲与税で四十三億一千三百六十一万九千円、利子割交付金で十九億円、自動車取得税交付金で八億二千万円、特別区交付金で十一億円、交通安全対策特別交付金で三千五百四十七万九千円、分担金及び負担金で四億四百四十九万四千円、使用料及び手数料で十一億六百五十三万九千円、国庫支出金で十四億九千六十二万二千円、都支出金で七億六千七百八十三万九千円、財産収入で三十一億三千百二十一万三千円、寄付金で科目存置として一千円、繰入金で十七億八千百九十一万一千円、繰越金で科目存置として一千円、諸収入で三十四億五千三十九万七千円をそれぞれ計上をいたしました。  したがいまして、本会計の予算額は歳入歳出とも三百六十八億二千九百七十六万八千円となりました。  次に、地方自治法第二百十四条の規定により債務を負担することができる事項として、仮称昌平橋会館建設ほか十一件を定めました。  次に、地方自治法第二百三十五条の三第二項の規定による一時借り入れ金の借り入れの最高額を五億円と定めました。  次に、地方自治法第二百二十条第二項ただし書きの規定により歳出予算における各項の経費を流用することのできる場合は、同一款内の給料、職員手当等及び共済費といたしました。  次に、議案第四号、平成三年度東京都千代田区国民健康保険事業会計予算についてご説明申し上げます。  まず、歳出といたしまして、総務費で一億八千百四万円、保険給付費で十二億九千四百八十三万五千円、老人保健拠出金で四億五千四百八十四万九千円、共同事業拠出金で三万円、保健施設費で五百五十二万一千円、諸支出金で五百二十万二千円、予備費で四千万円をそれぞれ計上いたしました。  これに対します歳入といたしましては、国民健康保険料で九億三千七百六十七万円、一部負担金と使用料及び手数料で科目存置としてそれぞれ一千円、国庫支出金で六億五千八百六万八千円、療養給付費交付金で九千四百二万六千円、都支出金で六千八百九十二万七千円、繰入金で二億一千六百七十七万七千円、繰越金で科目存置として一千円、諸収入で六百万六千円をそれぞれ計上をいたしました。  この結果、本会計の予算の総額は、歳入歳出とも一九億八千百四十七万七千円となりました。  次に、地方自治法第二百三十五条の三第二項の規定による一時借入金の借り入れの最高額は五千万円と定めました。  なお、歳出予算の流用につきましては、一般会計と同様でございます。  次に、議案第五号、平成三年度東京都千代田区老人保健特別会計予算についてご説明を申し上げます。  まず、歳出といたしまして、医療諸費で三十二億五千四百三十九万円、諸支出金で三千五百一万四千円、予備費で四千万円をそれぞれ計上いたしました。  これに対します歳入といたしましては、支払基金交付金で二十二億八千百四十四万七千円、国庫支出金で六億四千八百六十二万八千円、都支出金で一億六千二百十五万七千円、繰入金で二億二百十五万六千円、繰越金で三千五百一万一千円、諸収入で科目存置として五千円をそれぞれ計上をいたしました。  この結果、本会計予算の総額は、歳入歳出とも三十三億二千九百四十万四千円となりました。  次に、地方自治法第二百三十五条の三第二項の規定による一時借り入れ金の借り入れの最高額は五千万円と定めました。  以上、予算関係五議案をご提案申し上げましたが、よろしくご審議の上、原案どおりご議決賜りますようお願い申し上げます。 67: ◯四番(城井健介君) ただいまの議案は、十七名をもって構成する予算特別委員会を設置し、審査を付託されんことを望みます。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 68: ◯議長水野正雄君) 城井健介君の動議にご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 69: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。  お諮りいたします。予算特別委員会委員の選任につきましては、委員会条例第五条の規定によりまして、      一  番  石渡 しんこう君      二  番  市 川 宗 隆君      六  番  山 名   勇君      八  番  山田 ながひで君      十  番  香 村 美 子君      十一 番  清水 こうすけ君      十二 番  福 地 千太郎君      十七 番  竹 田 靖 子君      十九 番  菅 沢   林君      二十一番  中 村 か く君      二十二番  西 角 清 忠君      二十五番  木 村 正 明君
         二十六番  天 田 マサ子君      三十 番  吉 野   大君      三十一番  桜 井 きよし君      三十三番  小 林   昇君      三十五番  野 口 つた子君  以上十七名を指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 70: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認めます。よって、ただいまご指名申し上げました十七名の方を予算特別委員会委員に選任し、審査を付託することに決定いたしました。  議事の都合により、暫時休憩をいたします。    午後六時四十八分休憩    午後六時五十三分開議 71: ◯議長水野正雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  ただいまの休憩中に開会いたしました予算特別委員会で、正副委員長が互選されましたので、その結果を報告いたします。    予算特別委員会      委員長   福 地 千太郎君      副委員長  清水 こうすけ君      副委員長  香 村 美 子君 がそれぞれ選任されました。  次に、本日までに受理いたしました陳情四件につきましては、お手元に配付の請願・陳情付託一覧表のとおり所管の常任委員会に審査を付託いたしましたから報告をいたします。  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  資料……請願・陳情付託一覧表 72: ◯議長水野正雄君) 報告を終わります。  以上をもって本日の日程全部を議了いたしました。  お諮りいたします。明日から議事の都合により休会いたしたいと思います。これにご異ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 73: ◯議長水野正雄君) ご異議なしと認めます。よって、明日から休会することに決定いたしました。  継続会開会日時は改めて御通知申し上げます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後六時五十四分散会      会議録署名員        議 長  水 野 正 雄        議 員  川島 ひろゆき        議 員  香 村 美 子 発言が指定されていません。 Copyright © Chiyoda City, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...